陽川、三塁争い参戦打ァ!勝負強さ発揮

 「阪神秋季キャンプ・紅白戦、紅組2-0白組」(15日、安芸)

 楽しみな男が出てきた。阪神・陽川尚将内野手(23)が、安芸秋季キャンプで行われた紅白戦で、中前適時打を放った。紅組の「6番・三塁」で先発出場。六回2死一、三塁の場面で勝負強さを発揮した。来春の1軍キャンプスタートに向けて、1軍首脳陣に猛アピールした。打撃が魅力の陽川が台頭してくれば、三塁の定位置争いもさらに熱を帯びてくる。

 安芸での鍛錬が、実戦の場で報われた。「チャンスだったので、なんとか1本出したかった」。陽川はそう言って、少しだけ安堵(あんど)の表情を浮かべた。和田監督など1軍首脳陣が集結する中で、背番号「55」が輝きを放った。

 「最初の打席が中途半端になってしまったので、思い切っていこうと思った。ストライクがきたら振っていこうという感じでした」

 二回2死は、外角の直球に手が出ずに見逃し三振。四回2死は内角直球に力負けして、二飛に抑えられた。ただ、このままでは終われない。「結果を気にせずにやろうと思った」。気持ちを切り替えて打席に立った六回2死一、三塁。小嶋が投じた内角高め直球を、バットを折りながらも中前に運んだ。

 持ち味である打撃のアピールは、この日だけにとどまらない。1軍選手が合流した13日。フリー打撃で40スイング中11本の柵越えを放ち、和田監督に強烈な印象を植え付けた。「遠くに飛ばすことが自分の特徴なので。そこは意識してやるようにしています」。プロ入り以来一度もぶれることなく貫いてきた信念。1年かけて積み重ねてきたものが今、実を結びつつある。

 ただ、プロという大きな壁にもぶつかった。「プロに入る前は打撃を売りにしていこうという思いでした。でも、全然通用しなかった…」。春先はウエスタンでも打率1割台と苦しんだ。だが、諦めず、必死に食らいついた。フォームの修正も重ねて、最終的には打率・241、6本塁打をマーク。「来年勝負を懸けたいので、キャンプに懸けないとですね」。その胸には、確かな自信が芽生えている。

 見守った和田監督は「大きな戦力になる」と高評価した。来春の1軍キャンプ招集の可能性についても「それぐらいのものは見せてくれている」と述べ、大きな期待を寄せた。

 この試合では三塁に入り、無難な守備をみせた。今季の三塁は西岡、今成、新井良らが務めたが、陽川が台頭してくれば、定位置争いもより激しさを増してくる。キャンプ打ち上げまで残り4日。「自分の力を出していきたい」。陽川の飽くなき挑戦はまだまだ続く。

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