掛布DCゲキ“西岡の阪神”で悲願Vを
「OB戦、巨人10-0阪神」(16日、コボスタ)
阪神・掛布雅之DC(59)は16日、仙台市内で行われた「東日本大震災復興支援 巨人VS阪神OB戦」に出場。メジャー移籍を視野に海外FA権を行使した鳥谷敬内野手(33)の退団が危惧されているが、掛布DCは西岡剛内野手(30)をキーマンに挙げ、流出となった場合にもチーム全体に『前を向け』と猛ゲキを飛ばした。
来季、10年ぶりのリーグ優勝を狙う猛虎に主将・鳥谷の存在は不可欠。掛布DCも「残るなら、もう1回、鳥谷の阪神で勝つというのが(ベストだ)ね」と説く。ただ、メジャーへの移籍を決断し、退団となったケースも想定しなければいけないのが現実だ。
その場合に備え、秋季キャンプでは中堅手として、今季ゴールデングラブ賞を獲得した大和が遊撃手の練習を重ねている。守備面に関しては不安はない。
だが「攻撃面では、彼がいなくなると考えると(影響は)大きい。数字でも気持ちでも、引っ張っていけるような選手がいないと」と、鳥谷に変わるチームリーダーの出現を欲した。掛布DCが、その候補として名前を挙げるのは、西岡剛だ。
今季は、開幕3戦目(3月30日・巨人戦)の守備で福留と激突した際に負ったろっ骨骨折などの影響で、出場24試合止まり。故障の間に上本が二塁に定着し、来季の西岡は定位置獲得の競争を勝ち抜かなければならない。
それでも「西岡あたりの存在というのが、チームの勢いを左右する。良い状態で彼が100試合以上守ってくれれば」と大きな期待をかけた。さらに大和の遊撃コンバートにより、外野の競争も激しくなれば、若手にもチャンスが増える。
中谷、横田、伊藤隼らの名前を並べ「1年間、戦う中ではそういう力も必要。チームが大きく変わる年。若い芽が出てくる可能性が大きい1年となる気がする」と力説した。
鳥谷に関しては球団が全力慰留に努める姿勢を示し、残留となればこれ以上の朗報はない。ただ最悪のケースでも、見方次第でピンチはチャンスに変わる。どんな状況でも目指す場所は変わらない。掛布DCは、いや、すべての虎党が、猛虎の底力を信じている。