陽川“大秋穫”キャンプMVP
「阪神秋季キャンプ」(20日、安芸)
秋季キャンプを打ち上げた。和田豊監督(52)は、今キャンプのMVPに陽川尚将内野手(23)と、4年目の中谷将大外野手(21)を挙げた。特に陽川は、来春キャンプの1軍スタートに向けて、猛アピールに成功した。
来季の飛躍を目指し、若虎たちが汗を流した20日間。その中で一番輝きを放ったのは、来季2年目を迎える陽川だった。
和田監督は「やっぱりパンチ力があったよね。『おっ』というものがあった」とMVPに指名。陽川は「打撃はいい感じでしたね。収穫があったかなと思います」と、充実した表情でキャンプを振り返った。
「実戦でも、追い込まれてから凡打や三振をせずに、粘ることができた。フリー(打撃)でもシーズン中とは違う感覚があった」
19日の紅白戦で左翼席奥のネットへの本塁打を放った。カウント0-2と追い込まれてからボールを見極め、2-2からの5球目を完璧に仕留めたものだった。
和田監督は13日にキャンプに合流してから、陽川のフリー打撃は必ず打撃ケージの後ろで見守った。そして最終日のこの日は、フリー打撃を終えた陽川に歩み寄り、自らボールを上げてティー打撃をさせた。64球、25分間の、熱い指導だった。
「(フリー打撃で)高めがきたら、ほとんど(打球が)ケージから出なかった」と和田監督。陽川の課題の一つが、高めのボールへの対応にあると見ての指導だった。自身もバットを取り、スイングの手本を見せた。
陽川は「高めのボールを一発で仕留められるように。向かっていくんじゃなくて、バットに当てていくようにと言われました」と振り返った。その上で「言われたことをオフも続けて、来年のキャンプにつなげていきたい」と誓った。
来季の目標は三塁の定位置奪取。充実の秋季キャンプは終わったが、これは来季に向けた新たなスタートでもある。