ドラ1・横山 2ケタ星&新人王宣言
阪神は26日、ドラフト1位で指名した横山雄哉投手(20)=新日鉄住金鹿島=と茨城県神栖市内のホテルで入団交渉し、契約金1億円プラス出来高5000万円、年俸1500万円で仮契約を結んだ。背番号は未定。最速151キロ左腕は、来春キャンプで臨時コーチを務めることが確実な江夏豊氏(66)からエース道を学び、1年目から2桁勝利&新人王奪取を宣言した。
偉大な先輩に師事し、その足跡をたどる。猛虎のドクターK、そしてエースへ。横山が来春、伝説の左腕から投手の極意を学ぶ。
即戦力として期待される最速151キロ左腕は、来春キャンプで1軍スタートが濃厚。そのキャンプで、39年ぶりに臨時コーチとして阪神に帰ってくる江夏氏の投球理論に強い興味を示した。
「日本を代表する大投手だし、機会があれば、今の自分に足りないところを聞いていきたい」
2人は高卒と社会人の違いはあるが、ともにドラフト1位で阪神に入団した左腕。「三振」というキーワードでも結ばれる。
江夏氏は現役時代に日本記録のシーズン401奪三振や、オールスターで9連続奪三振を記録した。
横山も11月の21Uワールド杯・オーストラリア戦で、9打者から5者連続を含む8三振を奪取。同大会は3試合で10回20三振を奪い、国際大会で強烈なインパクトを残した。
チームの勝利に貢献することを最優先する中で、「投手をやっている以上、三振を取れることに越したことはない。狙う場面では狙っている。三振は投手として魅力のあるプレーだと思う」と三振への思いも口にした。
投球術で原石から進化を
即戦力としての力を備えているが、まだ20歳だ。中尾スカウトが「角度があって、質のいい直球を投げる。ただ、調子の波がある。まだ子供なんで」と話すように未完成の原石でもある。江夏氏の投球術で素質が開花すれば、三振を奪える魅力的なエースへ進化する可能性を秘めている。
まずは同氏の教えを、1年目の活躍へとつなげる。約1時間の交渉後に行われた記者会見では、端正な顔を引き締めて2015年への意気込みを語った。
「プロになるわけなので、責任を感じている。持ち味は直球で押す投球なので、プロでも貫きたい。新人だけど、開幕ローテに入り、新人王を取れればと思う」と迷いなく言い切った。志が高くなければ、江夏氏にも追いつけない。阪神に頼もしい新人が誕生した。