阪神・藤浪晋太郎投手（２０）が２日、鳴尾浜で強化練習に参加。今オフ、広島・前田健太投手（２６）の合同自主トレに参加することを熱望した。尊敬する先輩のもとで、さらなるレベルアップを図りたい考えだ。ただ前田塾入門には球団の許可が必要なため、今月上旬の契約更改の席で、熱く訴えるつもりだ。

　底冷えの鳴尾浜で、熱い思いを吐露した。ランニング、ウエートトレーニングで約２時間、汗を流した藤浪。今オフの自主トレについて話が及ぶと、偽らざる本音を口にした。

　「マエケンさんと一緒にやらせてもらえたら。日本代表でもやらせてもらいましたし、話を聞かせてもらいたいです。球団がいいと言うか分からないですけど…。機会があればやりたいです」

　マエケンとの合同自主トレが実現すれば、これ以上ない、貴重な機会になるはずだ。開幕へ向けた体づくり、技術面、メンタル面。球界のエースから吸収したいことは山ほどある。それだけでない。前田と同じ空間で練習するだけでも、自身のレベルアップにつながると考えている。

　「マイナスになることはないと思います。動作とかは人によって違うので一概には言えないですけど。一緒にやって、練習メニューとか、自分の知らない考え方に触れることが大事だと思うので」

　藤浪にとって前田はあこがれであり、特別な存在だ。中学時代、大阪泉北ボーイズで前田の恩師から指導を受けたことが縁。初めて投げ合った試合後や、プロ初勝利など節目でメールをもらい、プロ入りしてからも親交を深めていった。これまでもオールスターゲームなどで言葉を交わすことはあったが、１１月に初招集された侍ジャパンで、グラウンド内外で行動をともにし、マエケンの考え方に共鳴。今回の合同自主トレ志願も自然な流れだった。

　ただ、実際に実現するかは不透明だ。前田は１月上旬から、東京都内のトレーニング施設で、後輩の大瀬良らと自主トレ予定。藤浪は鳴尾浜で若手主体の強化練習へ参加が予定されており、前田塾入門には球団の許可が必要だ。だが本来１２月、１月のオフ期間は球団の管理下ではないため今月上旬の契約更改で、「そういうことを含めて話をしたい。選手の権利なので」と熱く球団に訴えるつもりだ。

　決して、わがままではない。さらなる飛躍のヒントを得たい－。３年目へ飽くなき向上心が藤浪を突き動かす。