交渉人上本!球団に若手の意見ぶつける
“交渉人”宣言だ!阪神の選手会長・上本博紀内野手(28)が4日、大阪市内で行われた日本プロ野球選手会の定期大会に参加し、今後はこれまで以上に若手の意見を吸い上げ、球団と話し合う方針を示した。寡黙なイメージが強い男がチームを一丸にするため、リーダーとして積極的に動く。
困った時はオレを頼ってこい-。定期大会終了後、クールな上本が、リーダーとして男気があふれる熱い言葉を並べた。
「若い選手は意見を言いにくいと思うので、僕が気を使ってあげたい。球団とケンカをするわけではないし、ハイハイ(と聞くだけ)ではなく、筋の通ったものにしたい。選手の立場に立ってやりやすいようにすることが、僕の仕事だと思う」。約5分間も立ち止まり、若手に呼び掛けるように話した。
選手会長就任2年目となる来季は今年1年間の経験を基にして、受け身にはならず、積極的に動く。「(契約更改では)話しきれないので」。今までよりも“風通し”をよくするために、意見が集まればその都度、球団と話し合いの場を持つ意向だ。
今季は日本シリーズに進出したが、05年からリーグ優勝に遠ざかっている。勝利を目指す上で、チームの結束を強める必要性も感じている。
「上の(年齢の)人が多いけど、なるべく一人一人の要望に応えられるようにしたい。全て通るか分からないけど、球団の意見もあると思うので、そのバランスですよね」。チームを一丸にさせるため、球団と選手のパイプ役として柔軟な姿勢で交渉に臨む。
プレーでも引っ張る。プロ6年目の今季は、主に1番打者として自己最多の131試合に出場。初の規定打席に到達して打率・276、7本塁打、38打点の成績を残した。
「1年間プレーして、いろいろと自分の中で見つかったものがあるので、意識しながらやっていきたい。一番は故障しない体をつくりたい」。オフは例年通り甲子園などで自主トレを行う予定。上本は来季、選手と交渉人の“二刀流”でチームをまとめ上げる。