遼馬160キロ出す!下半身強化し手応え

 阪神の松田遼馬投手(20)と今成亮太捕手(27)が12日、大阪市内の西九条小学校を訪れ、児童たちと交流した。今季、右肘痛で長いリハビリ生活を送った松田は、下半身強化に取り組んだことで球速アップの手応えを得たことを明かした。久保田、藤浪の球団最速157キロ、さらに160キロの大台も視野に入れている。

 子供たちは、未来の速球王を待ちわびていた。児童約300人の前で、今成とキャッチボールした松田に何度も飛んだ声援は「150キロ!150キロ!」。その声に遼馬も「150キロを出すだけじゃダメだけど、(球速)表示を楽しみにしていると思うので。それで野球を好きになってくれれば」と気概を示した。

 球団最速記録は久保田、藤浪の持つ157キロ。自己最速153キロ右腕は「期待されると思うし、157、158、160キロを出したいと思って取り組んでいます」と、青写真を口にする。

 手応えはある。プロ3年目の今年は春季キャンプで右肘を故障。3カ月間のノースローを言い渡された。そこで「トレーニングを変えたことが(球速)アップにつながった」と言う。

 長いリハビリ期間で取り組んだのが下半身強化だ。「大きい負荷をかけたり、いろんなことをした。1カ月ごとにスクワットで10キロ、次に10キロとか。(下半身が)強くなっていると思っていた」。特に「お尻回りはケガしてから1カ月ごとに(サイズが)上がった」と実感。転んでも、ただでは起きなかった。

 実際、9月19日の中日戦(甲子園)で今季初登板すると、その初球でいきなり当時自己最速タイの152キロを計測。巨人とのCSファイナルS第3戦(東京ドーム)で153キロへと更新。ソフトバンクとの日本シリーズ第2戦(甲子園)では150キロ以上を連発し、153キロで李大浩を空振り三振に斬った。権田トレーナーは、尻回りの強化によって「安定感が出る。体幹を通してボールに力が伝わる」と説明した。

 一方、多くの投手がそうであるように、遼馬も数字へのこだわり以上に大切なことがある。「そこにボールの質、キレを加えられたらいい。若いからまだ(球速は)伸びると思っているし、全体的にも上がると思っている」。目指すはすべてそろった完璧な速球だ。若き火の玉の後継者は、しっかりと未来を見据えている。

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