ドラ5植田の誓い“虎の忍者”になる
阪神のドラフト5位・植田海内野手(18)=近江=が2日、滋賀県甲賀市内で自主トレを公開した。忍者の里として知られる甲賀市で生まれ育った男は、究極の将来像として、隙のない「忍び」のような守備力を持った遊撃手を掲げた。鳥谷敬に憧れる18歳が、“虎の忍者”になる。
元日の夜に降り積もった約15センチの雪を力強く踏み締め、植田がプロの世界へ思いをはせた。自信がある遊撃守備に磨きをかけて、「いずれは獲れるようになっていきたい」とゴールデングラブ賞獲得を夢に描く。それだけではない。「忍者の里」として語り継がれる甲賀で生まれ育った男は、究極の将来像を口にした。
「『忍者みたい』と言われるように頑張りたい」
素早い身のこなしや、相手の隙を突く抜け目のなさ…。一般的な忍者のイメージをグラウンドで体現する選手になりたいと、植田は言う。
甲賀は、隣町の三重県伊賀市と並び「甲賀流」の忍者の里として伝説に残る。中世に支配力を強めようとしていた甲賀の土豪たちが、室町幕府将軍・足利義尚を夜襲。その一件から「甲賀忍者武士団」と呼ばれるようになったという。
そんな歴史にも、植田は触れてきた。小学校の社会科見学で、甲賀市内の忍者屋敷を訪問。「からくり扉とか、今でも覚えていますね」と懐かしむ。小さいころから思い描く「忍びの動き」を、サインプレーや隠し球など野球で表現できれば、この上ない。
また、同郷の先輩の活躍も刺激になっている。11月の日米野球では、滋賀・八幡商出身の楽天・則本が5回無安打投球。テレビで観戦し「そこのレベルになりたい」と将来の侍入りにも意欲を見せた。
現在は走り込みを中心とした体力強化に努めている。抱く野望は大きい。故郷から大きく羽ばたき、“虎の忍者”になる。