阪神・呉昇桓投手（３２）が１３日、グアムで行っている金田和之投手（２４）、岩本輝投手（２２）らとの合同自主トレを公開した。体を絞りすぎてシーズンインした昨オフの反省を生かし、今オフは現時点で４キロの増量に成功。体重増で球速アップを図り、今年は史上初となる来日１年目からの２年連続最多セーブと、リーグ優勝を目指す。　　　

　激しく隆起した筋肉にウソはない。自身を追い込み、手にした分厚い鎧を身につけ、２年目の戦いに挑む。スケールアップして、さらに力強さを増す石直球。守護神・呉昇桓に慢心はない。

　「もともと、自分の体はこういう感じなので。去年は（体重を）落としすぎた。去年に比べて４キロぐらいは増えてますね。（今は）９６、９７ぐらいですね」

　日焼けした表情に充実感が浮かぶ。昨年末からグアム入りして行っている今オフの自主トレは、昨年の反省を生かすことから始まった。「去年（のオフ）は走る量が多かったので（体重が）落ちた」。体重減の影響で昨季は序盤からしっくりこないところがあったというが、今オフはその教訓から、現時点で昨季に比べて４キロの増量に成功している。

　「自分の中では体重を増やすと（球速が）上がるというのはある。ただ、体重が増えれば上がるだけじゃなくて、瞬発力も大事。そうできれば上がるんじゃないでしょうか」

　このまま体重増に成功すれば、力強い直球に迫力が増すことは間違いない。昨季は思うような開幕スタートを切れなかったが、終わってみればリーグトップの３９セーブを記録。今季は万全の状態で臨める可能性が高いだけに、さらなる上積みに期待がかかる。

　「セーブ王を目標にするのではなく第一はチームが優勝することを目標にして、次がセーブの失敗を減らす、そして防御率の順番。セーブ失敗や防御率は自分次第で結果がでる。チームの成績も良くて個人の成績も良ければ一番いい年になる」

　この日は雨天のため、ウエート中心のメニューをこなした。来日１年目から２年連続で最多セーブとなれば史上初の記録となる。「チームが４位、５位でセーブ王でも意味がない」。最大の目標はリーグ優勝。それを成し遂げた先に、偉業達成の名誉も待っている。