藤浪、初ブルペンで圧巻“150キロ”

 阪神・藤浪晋太郎投手(20)が27日、沖縄・宜野座村野球場で今年初めてブルペン入りした。沖縄合同自主トレ初日からいきなり「150キロ」速球を投じ、コンビを組んだ梅野隆太郎捕手(23)も驚嘆。広島・前田健太投手(26)から学んだ「脱力投法」も試すなど、初日から全快だ。

 その瞬間、あたりが静まり返った。「150キロ」の直球が強い衝撃音とともに梅野のミットに吸い込まれた。「いいでしょう!」。ブルペンに藤浪の声が響いた。今年初のブルペン投球。進化が凝縮された圧巻のパフォーマンスだった。

 「肩はしっかりつくってきたつもりなので、今日は傾斜の感触に慣れたかった。去年、おととしと比べて、初っぱなの感覚としては良かったと思います」

 女房役・梅野も驚きを隠せない。「ナイスボール!」を連呼して、右腕の成長を感じ取った。「良かったです。去年はシュートするボールも多かったけど、初めて受けて、そういうボールは少なかった。球自体、強くて、ボールの回転も良かった。150キロぐらい出ていたんじゃないですか。それくらい力のある球に感じました」。

 立ち投げ20球で感触をつかむと、捕手を座らせて36球。テーマは「余計な力を抜くこと」。ゆったりしたフォームから投球動作に入り、リリースの瞬間、指先に意識を集中させる。マエケンとの合同自主トレで教わった脱力投法を早速、実践。セットポジションに入ると、何度も右手首をぶらぶらと振り「角度をつけて、腕が横ぶりにならないように」とチェックした。

 昨年は1月15日にブルペンに入り、18日に捕手を座らせた。それと比べると12日遅いブルペン入りだが、沖縄合同自主トレ初日に早くも不安を一蹴。直球に加えて、カーブ、スライダー、フォーク、チェンジアップ、ツーシーム、カットボールと全球種を解禁し「(ブルペン入りは)遅いけどキャンプでメリハリをつけてやっていけば大丈夫です」とうなずいた。

 春季キャンプを前に一気にギアを上げた。余裕ある立ち振る舞いは貫禄さえ漂う。若きエースの滑り出しは上々だ。

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