呉昇桓進化!無敵のウイニングショット

 「阪神春季キャンプ」(14日、宜野座)

 阪神の守護神・呉昇桓投手(32)が14日、今キャンプ4度目のブルペンに入り、変化球全球種を披露した。中西投手コーチは動きながら沈む「ツーシーム」を絶賛。昨シーズン終了後から落ちる球の習得を目指しており、今季はツーシームが新たなウイニングショットとなりそうだ。

 進化したツーシームが、独特の軌道を描いてミットに収まった。動きながら、シンカーのように斜めに沈む。新たに手にしたウイニングショット。すべての変化球を解禁した呉昇桓が、ついに2年目のベールを脱いだ。

 「今日はツーシーム、スライダー、スラーブを投げました。ただの練習です。昨年と同じものを投げてます」

 キャンプ4度目のブルペンで62球。石仏はいつも通り、クールに振り返ったが、隣で投球を見つめた中西投手コーチは、満足顔。新たな決め球に手応えを感じた様子だ。

 「ツーシームは結構、動いて沈んでいた。(腕が)横振りになると落ちないけど、縦に振ると落ちるな」

 投球後、石仏は通訳を交えて、中西コーチと入念に話し込んだ。身ぶり手ぶりのチェックを受け、納得の表情でブルペンを後にした。

 昨季は石直球、スライダーを軸に投球を組み立てた。39セーブを挙げ、最多セーブのタイトルを獲得したが、同時に「落ちる球」の必要性を痛感。2年目の飛躍へ、ツーシームの精度向上が課題克服につながると考えた。

 快晴が続く第3クール。気温の上昇とともに、守護神の状態も右肩上がりだ。石直球は日ごとに勢いを増し、次クールにはフリー打撃に登板予定。実戦登板へ向け、順調にステップを踏んでいる。

 キャンプ中の実戦登板について中西コーチは「BP(打撃投手)のあと、話し合う」と説明。呉昇桓本人も、「自分の中で体の状態を見ながら考えていきたい。ちょっとずつやっていきます」と冷静に話し、焦りはない。 キャンプ終了後、チームは四国遠征に出発する。ただ呉昇桓の帯同は微妙な状況。そのため、早ければ24日・DeNA戦(宜野座)で、実戦初登板する可能性がある。

 今キャンプでは調整法を任され、完全ノースロー日を設けるなど自己流を貫く。福原、能見らベテランが登板する15日の紅白戦も登板しない。昨季、勝ち取った信頼は不変だ。2年目を迎えるラストボスに、死角は見当たらない。

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