「練習試合、阪神１－１楽天」（１７日、宜野座）

　阪神・岩本輝投手（２２）が先発し、３回１安打無失点の好投を見せた。オフには金田とともに呉昇桓のグアム自主トレに参加。トレーニングの成果を結果で示し、先発５、６番手争いに名乗りを上げた。

　力強さを増した最速１４４キロ直球で楽天打線を圧倒した。初回、侍ジャパンにも選出された銀次を１４２キロで二ゴロに打ち取ると、二回は新外国人のウィーラーをフォークで空振り三振。岩本が快晴の沖縄で成長した姿を披露した。

　「全体的に良かったと思います。真っすぐも走っていたし、フォークで三振も取れた。課題としていることはできたと思います。ずっと調子がいいので、続けていきたいです」

　予定の３イニングを投げ、許した安打は１本だけ。キャンプ前半に臨時コーチを務めた江夏豊氏も「文句のつけようがなかった。ちょっとずつ力をつけているし、頑張ってもらいたい」と絶賛の内容だった。

　「スンファン道場」の効果が結果となって表れた。オフに金田とともに呉昇桓のグアム自主トレに志願参加。そこでトレーニングについて学んだ。「グアムに行って、量もやりましたし、トレーニングの意味を理解しながらできました」。体重は８３キロから８６キロにアップした。さらにキャンプでは呉昇桓から教わった右足を強く蹴るフォームを意識して練習を続けている。今年初先発でスケールアップした姿を印象づけた。

　先発５、６番手争いを一歩リードだ。頼もしい投球に和田監督は「今日の内容だったら、もう少し長く見たいという感じは受けた」と高評価。中西投手コーチも「ブルペンから良かった。体も大きくなった」と次回も先発起用する方針だ。

　プロ２年目に２勝を挙げたが、ここ２年間は白星なし。岩本は、「毎年、（開幕ローテを）狙っているけど、今までうまくいかなかった。今年もそこを狙っていきたい。今日のようなピッチングができれば入れると思う」と自信をのぞかせた。プロ５年目を迎えた右腕が、開花を予感させた。