「阪神春季キャンプ」（２５日、宜野座）

　阪神・和田豊監督（５２）が２５日、今キャンプのＭＶＰに鳥谷敬内野手（３３）を選んだ。

　一部故障した選手はいたが、主力は順調な仕上がりを見せた。そんな充実したキャンプを終え、指揮官は「１人挙げるのは非常に難しい」とＭＶＰの選出に頭を悩ませながらも、真っ先に挙げたのは「鳥谷」だった。

　主将として引っ張る姿が目に付いた。「リーダーシップを発揮してくれた。若い選手が多かった中で声を掛けてくれた」とＭＶＰの理由を説明した。

　オフにはメジャー挑戦か悩んだ末、鳥谷は阪神に残った。残留したからにはチームの中心になってもらいたいという思いが、和田監督にはあったはず。「すべてにおいてチームを引っ張ろうという気持ちでやってくれた」。期待通りの姿に思わず頬が緩んだ。

　投手のＭＶＰには能見の名前を挙げた。「ブルペンでは能見がアドバイスしながらやりやすい雰囲気にしてくれた」。鳥谷と同様に若手を引っ張る姿が印象的だった。

　和田監督は胸を張った。「８０点。あと２０点を開幕に向けてオープン戦で埋めていきたい」。開幕まで残り約１カ月。鳥谷と能見を中心に戦う集団を完成させていく。