良太 三塁奪うん打!会心のマルチ
「オープン戦、阪神7-1広島」(11日、甲子園)
まだ終わっちゃいない。阪神・新井良は強い気持ちで打席に入った。五回無死一、二塁。そこまで野村、九里の前に、2打席連続で空振り三振。小野に対して2ボールから7球連続ファウル。食らいついた。最後はボール気味の変化球を強烈にはじき返す左前適時打だ。
続く七回の打席では一岡に対して、こちらも追い込まれながら中前打。会心の当たりだったのか、得意のバットを高々と放り投げるポーズまで出た。
「食らいついていくだけでした。修正したというより、もっと最初の打席をしっかりね。大事なんで」
反省の弁を口にした。周囲では“三塁は西岡で決まり”、そんな空気があるが、あきらめるつもりはない。この日はゴメスの代わりに一塁で先発出場し、2安打。六回からはシートノックで入っていなかった三塁の守備にも就いた。
定位置争いについては「頑張ります」とだけ話した。言葉はいらない。どん欲に食らいつき、結果を出していくだけだ。ライバルがオープン戦打率・1割台に沈む中、堂々の打率4割で対抗してみせた。
もちろん、ホットコーナーを勝ち取ることが簡単でないことは理解している。良太らしく、泥くさくいく。