岩崎に援護なし…今季初星またお預け

 「阪神1-2DeNA」(9日、甲子園)

 粘りの投球も実らなかった。阪神・岩崎優投手(23)が七回までDeNA打線を無失点に抑えたが、八回に連打を浴びて無念の途中降板。打線の援護に恵まれず2敗目を喫した。

 最後まで、マウンドに立っていたかった。聖地から温かい拍手を受けても、岩崎はうつむいたまま。0-0の八回、1死から筒香、ロペスに連打されたところで、無念の交代を告げられた。試合後、声を絞り出した。

 「七回、打席に立たせてもらったので、投げきりたかったです。まだまだ、力がないと感じました」

 七回の攻撃。2死から梅野が安打すると、岩崎はそのまま打席へ立った。中西投手コーチは「クリーンアップを抑えていたからな」と続投の理由を説明。岩崎も「去年までなら代えられているような展開」と強い決意を持って、八回のマウンドに上がっていた。

 チーム4連敗でまわってきた今季2戦目の先発。前回は五回途中7安打4失点でKOされたが、今年初の甲子園で輝きを取り戻す。初回から再三、走者を背負いながら、本塁は踏ませない。自己最長の7回1/3を9安打2失点。「内容としてはいいものではなかったけど、1イニング、1イニング、ゼロを刻めた」。課題の3巡目投球もクリア。指揮官も「粘り強く投げていた」と高く評価した101球だった。

 最後方から、ごぼう抜きし、開幕ローテをつかんだ。1年目の疲れが抜けきらず、昨年内はノースロー調整を強いられた。年明け、キャッチボールを再開すると、いつもと違う「感覚」に陥ったという。キャンプは安芸スタート。1軍沖縄キャンプを楽しみにしていた両親に家族で共有するラインで「2軍スタートになりました」とメッセージを入れた。「焦らず、頑張れ」と兄弟から激励されたが、本人も同じ思い。「焦りはなかった」と話すようにじっくりと仕上げてきた。

 「まだまだ課題が多いので、つぶして次にいきたい」と岩崎。白星はつかめなかったが、この日の力投は色あせない。

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