猛虎打線再点火へ『黒田撃ち』合図や
黒田撃ちで連敗を止める-。阪神・福留孝介外野手(37)とマウロ・ゴメス内野手(30)が負の連鎖にピリオドを打つ。10日の広島戦は雨天中止となり、甲子園の室内練習場で調整。11日の同戦で対戦する黒田と好相性を誇る両者がメジャー通算79勝右腕を打ち砕くキーマンとなり、本拠地初勝利を導く。
倒すべき相手は今年の日本球界最大注目選手の1人である黒田。バリバリのメジャーリーガーであると同時に、日本在籍時にも10勝18敗と苦しめられた強敵だ。
それでも連敗を止めるにはこの難敵を沈めるしかなく、打ち砕けば、またとない風を呼ぶ。タテジマには“キラー”と呼ばれる男がいる。福留だ。中日、カブス時代に対戦経験があり、日米通算で121打数40安打の打率・331と相性は抜群。本人も以前から「いいか悪いかで言えば、いいイメージ」と口にしている。
現在・212と打率は上がっていない。だが、前日のDeNA戦で惜しくも中飛、左飛となった飛球は好調モード突入を予感させるスイングと打球の角度で、得意の黒田を相手に豪打が飛び出す期待感が膨らむ。
もう1人、黒田に特別な思い入れを持つのがゴメスだ。レッドソックスに在籍した2012年7月6日には、当時ヤンキースの黒田と対戦し、3打数1安打1打点とメジャー初打点を挙げた背景がある。
「対戦してヒットを打ったことはある。もちろん数字を見れば分かるけど、いい投手だ」とゴメスはリスペクトを交えつつ振り返った。
昨季の打点王は現在、打率・244、1本塁打、6打点とまだ本調子とは言えないが、2試合連続安打と少しずつ復調の兆しを見せ始めている。この日も雨天中止が決まると室内練習場で必死に汗を流した。通常のフリー打撃のあと、マートンと2人でオマリー打撃コーチ補佐が見守る中、カーブマシンを打ち込むなど、爆発に向けた予習にいそしんだ。
チームは3カード連続の負け越し中の5連敗とあえぐ。重苦しい雰囲気は残るが、雨天中止が気持ちを切り替える恵みの雨となる。
メジャー通算79勝の金看板は偉大で対戦成績も分が悪い。しかし、この壁を乗り越えなければ光は差し込まない。福留とゴメスが攻略法を示し、チーム打率・221と沈む打線を再点火させる。太陽に照らされた聖地で猛虎打線が打ちまくる。