福留 黒田から一発!さすがキラーや
「阪神2-7広島」(11日、甲子園)
被弾した黒田が「相手にうまく打たれた」と潔く負けを認めた。二回。6戦連続で先制点を許し、暗雲が漂った裏の攻撃で、阪神・福留がキラーぶりを発揮した。フルカウントからの7球目。インハイのツーシームを振り切った打球は、右翼ポール際にスタンドイン。3戦ぶりの3号ソロで試合を振り出しに戻した。
「いい投手なので、ストライクゾーンにきたら積極的に打ちにいこうと思って打席に入った。きょうは、たまたまいつもとは違うライト方向への風だったので、何とかスタンドまで届いてくれた」
中日時代、112打数37安打、打率・330と黒田を得意にしていた。それでも、メジャーで79勝を挙げ、箔(はく)を付けて凱旋した右腕との8年ぶりの対戦に、「昔とは違う」と楽観のかけらもなかった。いつもなら逆風となる浜風がこの日はフォローだったことも幸いしたが、技術とパワーの詰まった放物線で返り討ちに成功した。
内角のボール球からストライクゾーンへ入るフロントドアツーシームを仕留めたことで、2打席目は外角中心に攻められ遊ゴロに倒れたが、六回1死一、二塁では初球のシュートを右前へ運ぶ適時打。泥沼6連敗に満員の客席からベンチへ罵声が飛んだが、黒田を苦にしなかった福留の2打点は虎党の手土産になったはずだ。