マートン撃て!拙攻…連夜サヨナラ負け
「中日2-1阪神」(15日、ナゴド)
連日の悪夢だ。阪神が4年ぶりとなる2試合連続のサヨナラ負け。最後は松田遼馬投手(21)が平田に打たれ、2試合連続でサヨナラ打を浴びたが、問題は打てない打線だ。特に深刻なのはマット・マートン外野手(33)。一回、八回と2度のチャンスで凡退し、ブレーキとなった。虎打線の鍵を握る助っ人の不振は痛い。何とか一刻も早く、本来の姿に戻ってくれ!
負の連鎖が、止まらなかった。4年ぶりとなる2試合連続のサヨナラ負け。黄色の左翼スタンドには、またため息が充満した。そして三塁側ベンチには首脳陣、選手の重苦しい雰囲気が漂っていた。
この日も終わってみれば決定打を欠いたことが敗因だった。「あそこ(八回)で、ひっくり返さないといけないゲームだったね」。和田監督がため息交じりに嘆いたのは、八回の攻撃だ。鳥谷の適時二塁打で1-1の同点に追いつき、流れをつかみかけた。なおも一死一、三塁。当然、一気に行きたい場面だった。
ここで打席にはマートンが立った。1ストライクから2球目、外角直球をストライクと判定されると不満げに市川球審に何事かを言った。慌ててベンチから関川打撃コーチが飛び出した。
異様な空気の中、結局マートンは二ゴロ併殺打に倒れ、チャンスをつぶした。指揮官は「食らいついていったけどな」と責めることはなかった。だが、判定を不服としたことについては「俺がどうのこうの言うことじゃない。ベンチはどうしようもない」と多くを語ることはなかった。
打線がわずか1得点に終わった。その大きな要因の一つは、マートンのブレーキだった。一回2死一、三塁の先制のチャンスでも遊ゴロに倒れた。一回、八回のどちらかでマートンに1本出ていれば試合は大きく変わったはず。「143試合戦う中で、こういう試合もある。(シーズンは)90%残っている。ベストを尽くしてやる」と前を向いたが、早期の復活が待たれるところだ。
1番開幕から全試合で5番に座っているマートンだが、今後は打順など起用法について検討する可能性はある。和田監督は「練習でも悪くないしね。打席で少しでも本来のものを取り戻せるようにしてほしい」と奮起を促した。2連敗で借金は今季ワーストの4。助っ人の復活が、チームの低迷脱出の鍵を握っているのは間違いない。