虎“超攻撃的”2番・西岡で連敗止めた

 「中日4-6阪神」(16日、ナゴド)

 超攻撃的2番打者が魅せた。阪神・西岡剛内野手(30)が同点の六回、右前に勝ち越しタイムリーを放った。2試合連続サヨナラ負けの悪夢を払しょくすべく、和田豊監督(52)は1番・上本、2番・西岡の新打線に組み替え、その期待に背番号7が応えた。初回は1、2番の連打から一挙4点。17日からは甲子園でTG戦。バックスクリーン3連発を超える伝説を見せてくれ!

 西岡は力強いストライドで一塁ベースを蹴り上げた。超攻撃的な2番打者の見せ場は同点の六回に巡ってきた。2死二塁。初球だった。山井の上ずったフォークをひっぱたいた打球がダイブした福田のグラブをかすめ、右前へ転がった。

 右翼からの返球がダイレクトで本塁に向かうと、背番号7は迷わず二塁へ。梅野がスライディングで勝ち越しのホームを奪うと、二塁ベースに片足を掛け、あふれ出るアドレナリンを抑えるようにゆっくりと3度、手をたたいた。

 「攻撃的な2番を求められていたと思う。今までと違う形で貢献したい気持ちで打席に入った。勝ちたい一心だった」。指揮官が17試合目で打った奥の手に一発回答した。試合前にロッテ時代以来の「2番」を告げられ、「監督の意思を理解して試合に出た」。初回、先頭の上本が安打で出塁したが、犠打のサインは出ない。左前打で続き、新打線を一挙4点の波に乗せた。

 だが、前夜はや10敗を喫したチームはこのアドバンテージを生かせない。岩崎が竜打線に捕まり、四回に試合は振り出しに…。「あそこから同点にされるのが今のチーム状況だと思う。勝てるチームになりたい」。負けん気の強さも新攻撃的2番の真骨頂。ありったけの気迫を込めて「もう1点」を奪った。

 昨季開幕3戦目の巨人戦で福留と衝突し、選手生命の危機に瀕(ひん)した。11月に右肘を手術し、再船出と位置づけた15年シーズン。オフは世界戦を控えたボクサーのようにストイックな食事制限で7キロ減量するなど肉体を改造した。目指したスタイルはスピードスター。かつて2度盗塁王に輝いた男は30歳にしてどん欲だった。

 兵庫県内のグラウンドで行った1月の自主トレで陸上界のレジェンドに指南を受けた。陸上競技場でウオーミングアップしていると、朝原宣治氏と遭遇。面識のない100メートル元日本記録保持者に自ら近寄り、頭を下げた。北京五輪4×100メートルリレー銅メダリストから走塁フォームの手ほどきを受け、俊足で鳴らしたタイトルホルダーの輝きを追求した。

 「チーム方針に従って。勝つためなら何でもやる。明日から巨人戦。ホームに戻ってしっかりと倒したい」

 西岡の情熱が虎を勇ましく変貌させる。

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