ゴメス同点弾 好調の主砲が引っ張る!
「阪神3-5巨人」(19日、甲子園)
勝てなければ、活躍も意味がない。今季最長4時間31分の熱戦後に残ったのは徒労感。73打席ぶりの同点2号2ランも空砲に終わった。それでも阪神・ゴメスは、自らを奮い立たせるように前を向いた。
「シーズンではこんな試合もある。気持ちを切り替えて、またあさってから戦いたい」
勝利には結びつかなかったが、雰囲気を変える一発だった。2点を追う六回1死一塁。「直球が来たら積極的にいこうと思った」。高木勇の初球。外角に構えた捕手・小林のミットが真ん中へ動く。シュートしながら吸い込まれるように真ん中へ入った139キロを完璧に捉えた。
飛距離は十分だが、方向は左翼ポール際。わずかな静寂の後、打球がスタンドで跳ねると、再び歓声が甲子園に響いた。今季最多4万6468人の視線を一身に浴びた背番号5。ゆっくりベースを一周すると、本塁の手前で手をたたいてほえた。
開幕3戦目、3月29日の中日戦以来17試合ぶりの一発。5日の初対戦で、プロ初完封を許した巨人・高木勇に、プロ初被弾となる一発を浴びせた。
「まだ2回目なので、対戦しやすいとは言えない。いい投手だし、どの球種もいい」と相手をたたえたが、高木勇から15イニング目にして奪った得点は、次回以降へつながるはずだ。
チームは6カード連続で勝ち越しがない。勢いがつかない中、21日からは前カードで3連敗したDeNAと対戦する。現状を打破するためにも、最近5試合で打率・389、1本塁打、7打点の主砲に掛かる期待は大きい。「自分だけに限らないけど、点を取れれば勝つチャンスは増える」。好調な昨季のリーグ打点王は、勝利だけを求めて横浜に乗り込む。