藤浪、乱闘寸前乱投!黒田に気迫負け

 「広島11-3阪神」(25日、マツダ)

 さらに大きな投手になるための試練と思いたい。阪神・藤浪晋太郎投手(21)が、広島・黒田との先発対決に完敗した。二回には打者・黒田の胸元に2球連続で投げ込む制球難で、乱闘寸前の事態に。結局5回を7安打6失点で降板した。チームも3失策がすべて失点につながるなど今季ワースト11失点で、3、4月の負け越しが決定。広島に連敗すれば、最下位転落の危機だ。猛虎よ、意地を見せてくれ。

 あわや乱闘の事態に球場が騒然となった。藤浪が2球続けた危険な内角球に、黒田が激高した。右手にバットを持ったままゆっくりと、マウンドへ向かう。異変に気づいた藤浪はすぐさま帽子をとり、頭を下げるが、黒田の怒りは収まらない。両軍ベンチから首脳陣、ナインが飛び出し試合は一時中断。数分後に再開されたが、一触即発の雰囲気に、後味の悪さだけが残った。

 「真っすぐなんですけど、バントをやらせようと先に走りだしていた。しっかり投げないまま走りだしていたのでああいうボールになってしまいました」

 試合後、藤浪は反省の表情で振り返った。その場面は1-1の二回、1死一塁だ。バントの構えの黒田に対して、1ボールから投じた直球が内角へ。のけぞる相手に藤浪は謝罪したが、続く3球目も内角へ大きく抜けてしまった。

 あの1球がこの日の状態の悪さを物語っていた。中西投手コーチが「体が開いてシュート回転していた。良くないところが出た」と指摘したように、制球が思うように決まらない。初回、先頭田中に左前打されると、1死二塁から丸に中前打され先制点を献上。二、三回は味方の拙守で追加点を許し、3点ビハインドの五回も、2点を失い、最後まで立ち直れなかった。結局、5回7安打6失点で、黒田に投げ負けた。

 「不運な部分はありましたけどもう少し粘れたかなと思います。先頭を切らないと、流れはできない。上体に頼りすぎました」

 不本意な結末で幕を閉じたが、黒田の投球術を藤浪自身、心待ちにしていた。代名詞の「フロントドア」は藤浪も習得に励む。左打者の内角ボールゾーンからストライクになる軌道に「キャンプでも練習したんですけど、投げるのは難しい。究極の球だと思う」と感嘆。黒田の日本復帰が決まると「ツーシームがどれぐらい曲がるか」と想像を巡らし、登板前日も「メジャーであれだけ勝たれた方なので、投球術にたけている印象があります」と敬意を表していた。

 現在のチーム状況を象徴するように、藤浪も4月は1勝2敗と、もがき苦しむ。ただ、黒田ににらまれても、ひるまず投げ続けた。この苦い経験を糧としてはい上がるだけだ。

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