メッセ熱投2勝目!もう無気力じゃない
「阪神3-1ヤクルト」(28日、甲子園)
ヤクルト・山田が高々と飛球を打ち上げると、阪神・メッセンジャーは荒々しくグラブをたたいた。2点リードの七回だ。2死三塁のピンチも決め球に迷いはない。2ボールから投じた147キロ直球で中飛。江越が捕球すると、もう一度右手でグラブをはじき、胸を張ってマウンドを後にした。
「自分が一番自信があるボールは真っすぐだから。ここぞの場面で直球を投げられるのが自分の強みだ」
7回5安打1失点の力投で、今季2勝目。三者凡退に抑えたのは初回だけだったが、再三のピンチを切り抜けた。「粘れたと思う。ゲームをつくれたので良かった」。魂の126球を投げた助っ人に、ようやく笑顔が戻った。
持ち味のパワーピッチングで一連の騒動に終止符を打った。前回22日のDeNA戦では打つそぶりを見せなかった三振と打席でのサイン間違いを無気力プレーと指摘されて騒動となった。この試合まで口を開くことはなかったが、すでに気持ちは切り替わっていた。
「集中というか自分は試合が終わると次の試合に気持ちを切り替えている。前の試合のことは忘れていたよ」。最後まで気力十分の姿に和田監督も「これで乗っていけそう」とホッと一安心だ。
助っ人の存在感は、グラウンドにとどまらない。今季から甲子園のメニューに加わった「メッセの豚骨醤油ラーメン」は断トツの1番人気。発売5日間で1000食以上売り上げ、2位に倍以上の差を付けているという。このうれしいニュースに助っ人は「名前が付いているから売れている訳じゃなく本当においしいんだ。自分が一番好きな味。6年も待たせて、すみません」とニッコリ。自信の味はパワーの源だ。
「最近は負けても、いい野球ができている。チームの状態も上がっているので、これを続けていきたい」と反攻を宣言したメッセンジャー。輝きを取り戻した右腕が猛虎をけん引していく。