岩田 魔さか…大乱調6失点KO
「阪神0-8巨人」(19日、甲子園)
もはや悲鳴も、怒号すらもない。伝統の一戦は奇妙な静けさに包まれた。今季3度目の連敗ストップを目指した阪神・岩田が5回もたなかった。「悔しいです。次しっかり投げます」。4回1/3を7安打6失点。自身の連勝は3でストップした。
悪夢の始まりは阿部の一発だ。二回2死一塁、外角低めのスライダーを右中間スタンドへ運ばれた。コースは悪くなかったが、この日の風は浜風と逆。「結果、打たれたんで」と言い訳しなかった。
2点ビハインドを背負った三回は、気持ちが空回りした。安打と自身の暴投がからんで2死二塁。ここで亀井のゴロを鳥谷が珍しく失策した。キャプテンの表情に動揺の色が浮かぶ。「何とかしようという思いが強すぎた」と岩田は振り返った。
2死満塁からアンダーソンに押し出し四球、井端に左線2点適時二塁打を許して5点差とされた。「いつも鳥谷さんには守備で助けてもらっている。自分の力がなくて悔しい」と唇をかんだ。
中西投手コーチは「球離れが早く、その分ボールが動いてなかった」と分析。四回は長野の一発、五回は連打を浴びて力尽きた。持ち味は最後まで出せなかった。チームを包む暗雲は、希望の光だった左腕までのみ込んだ。