ドラ1横山 4失点KOでプロ初黒星

 「交流戦、西武9-2阪神」(30日、西武ド)

 ドラ1左腕がもろくも散った。プロ初勝利を狙った阪神・横山雄哉投手(21)=新日鉄住金鹿島=が2回2/3で2被弾を含む5安打4失点KOでプロ初黒星を喫した。後を継いだドラフト2位の石崎剛投手(24)=新日鉄住金鹿島=も満塁弾を浴びて交流戦初黒星。再び借金生活に逆戻りとなった。

 天を仰いだ表情は、生気を失っていた。2度目の登板で初のKO。横山が西武打線にプロの洗礼を浴びた。

 2回2/3を投げて2被弾4失点。「腕を振れなくて、カウントを悪くして打たれた。打たれるべくして打たれた。チームが連勝中だったので、先発の役割を果たせず申し訳ないです」。視線を落とし、屈辱的なプロ初黒星を振り返った。

 最大の武器に鋭さがなかった。プロ初登板初先発となった21日の巨人戦で最速149キロを記録した直球は、最速144キロ。カーブ、フォークでかわす投球が続いた。

 制球にも苦しんだ。初回は0点で抑えたが、打者4人中3人がフルカウント。本調子ではない状態で、抑えられるほど甘くはなかった。二回無死。メヒアに141キロの直球を右翼席へ運ばれて、プロ初被弾となる同点ソロを許した。

 勝負球も要所で甘くなった。三回2死二塁で打者・浅村の場面。カウント2-2で鶴岡に要求された内角に投げきれず、直球が真ん中に入って勝ち越しの中前適時打を浴びた。

 さらに2死二塁で、中村に初球のカーブを左翼席へ運ばれると、歯止めが利かなくなった。メヒア、森に連続四球。ここで降板となった。

 和田監督は「直球が全然、走っていなかった。持ち味の直球で勝負できないときつい」。中西投手コーチも「カウントを悪くして、置きにいってやられた」と苦言を呈した。

 ただ、首脳陣は一度の乱調だけで見限るつもりはない。指揮官は「きょう一回だけのこと。なぜ、腕が振れなかったか、直球がいかなかったか、反省して次につなげてほしい」。次回は6月6日の日本ハム戦(甲子園)が有力。巨人打線を相手に快投を見せた本拠地で、この日の悔しさをプロ初勝利へつなげる。

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