メッセ5勝!僚友の一発マーってたよ
「阪神4-1ヤクルト」(20日、甲子園)
ベンチから祈るように放物線を見つめた。二回に飛び出した阪神・マートンの今季初アーチ。苦悩する姿を近くで見てきただけに、喜びもひとしおだ。メッセンジャーは満面の笑みで僚友を出迎えた。
「チームにとっても大きかったね。ずっと一緒にやってきた仲だから。自分が投げた試合で打ってくれて良かったよ。これで肩の力も抜けて、どんどん打ってくれると思うよ」
待望の一発に花を添えようと必死に投げた。1点リードの四回は川端、畠山の連続二塁打で同点とされた。さらに四球と内野安打で無死満塁。絶体絶命のピンチも、助っ人は倒れない。7番今浪を力強い直球で浅い中飛に打ち取ると、中村はカーブで右飛。最後は石川を150キロ直球で空振り三振に斬った。
6安打5四球を与えながら、終わってみれば7回1失点。本調子ではなかったが「こういう時もある。ランナーを出しても粘れて良かったよ。1点は取られたけど、勝てて良かった」と満足そうにうなずいた。
一時は2軍落ちした時期もあったがチームトップタイの5勝目。指揮官も「粘り強く何とか1点でしのいでくれた。本来のメッセに戻っている」と信頼を口にした。
マートンとともに、来日6年目。これまで投打の軸として、2人でチームをけん引してきた自負がある。昨年のCS初勝利をマークした翌日も、熱く語り合った。「マートンと話していたんだ。日本に来て5年目で、ようやく勝てたねって。格別の1勝だったよ」。今季はここまで順風満帆の1年ではないが、悲願達成へ2人の完全復活は欠かせない。
試合後は長女のフランチェスカちゃんと、日本語の「次女」から命名したジジョちゃんへ、トラッキーのぬいぐるみをプレゼント。メッセンジャーは心身ともに充実してきた。