秋山1104日ぶり星スルリも粘投
「阪神3-2中日」(9日、甲子園)
90%を超す湿度に包まれた甲子園。丸刈りの頭からしたたり落ちる汗を何度もぬぐった。今季初登板初先発の阪神・秋山が6回5安打2失点。「もっとよくなると思う。後半戦も使ってもらえるようにしっかり練習したい」。両親がスタンドで見守る中、3年ぶりの勝利には届かなかった。それでも、右腕には大きな手応えが残った。
プロ6年目。2012年6月30日から白星はない。今季もここまで2軍暮らし。背水の思いを血肉にした。序盤から粘った。初回、四回にともに平田に中前打を許したが、首位打者を争うルナを斬ってピンチをしのいだ。
「真っすぐがよくなかったけど、他の球でカウントをつくれた」とカーブやカットボールでメリハリをつけた。五回まで2安打無失点。勝ち投手の権利を得た直後の六回、代打亀沢に中前打。遠藤への四球と犠打で1死二、三塁とし、平田に左前へ同点適時打を許した。
「悔やまれる」と言うのが、遠藤への四球だ。「抑えれば次に打順が回ってくると…。五回まで考えなかったのに、先を読んで気持ちに変化が出た」。そう省みるのも成長の証し。和田監督は「勝たしてやりたかった。今日のピッチングは合格点」と明言した。球宴期間に入るため、10日に出場選手登録を抹消されるが、チャンスはまた、必ず来る。