福原、呉、安藤虎初捕逸サヨナラ呼んだ

 「阪神3-2中日」(9日、甲子園)

 こんな勝利があってもいい。阪神は延長十一回1死満塁、パスボールで三塁走者が生還し、今季7度目のサヨナラ勝ちを収めた。捕逸によるサヨナラ勝ちは球団史上初めての珍事だが、これも八回途中から福原忍投手(38)、呉昇桓投手(32)、安藤優也投手(37)の無失点リレーがあったからこそ。連敗を2で止め、勝率5割に復帰。10日からは敵地・東京ドームで首位・巨人と決戦や!

 耐えて、守り抜き、ここまでたどり着いた。延長十一回1死満塁。福谷のマートンへの初球はパスボールとなり、白球が三塁側に転がる。三走・上本が一気にサヨナラのホームに滑り込む。降り注がれた歓喜のシャワー。幸運なようでいて確かな勝因も見えた勝利。和田監督は、リリーフ陣の粘りをたたえた。

 「(中継ぎは)毎回のようにピンチでしたけどよく踏ん張ってくれました。ピンチの連続だったんで本当によく踏ん張ってくれた」

 回ってきたバトンを、誰一人落とさない。まずは福原だ。高宮に代わり、同点の八回1死一、二塁の場面。平田に四球で満塁となったが、続くルナに初球のスライダーを振らせると、弾んだ打球を自らさばいて本塁へ。さらに一塁へと転送される併殺で切り抜けた。

 粘った7球でつかんだ通算103ホールド目は、藤川を抜く歴代単独3位に。「良かったです。ゼロで抑えられたので。ツルさんのサインのおかげです」。ベテラン右腕の意地を守護神がつなぐ。通算100試合目の呉昇桓は、九回を無失点に抑え、そのまま延長十回も登板した。

 「点を取られないように集中した」と呉昇桓。2イニング目は先頭からの四球などで1死満塁に。絶体絶命のピンチにも、ここで執念を見せる。まずは和田をフルカウントからの8球目で遊飛に打ち取ると、続く森野を中飛に仕留めて切り抜けた。

 3連戦3連敗は避けたい中での呉昇桓のイニングまたぎ。和田監督は「今日の一戦はどうしても獲りたいゲーム」と執念の采配だった。延長十一回は安藤が「3連敗は避けたかった」と無失点で自身今季初勝利となった。

 それぞれ節目を迎えた3人の力投が光った白星。10日からは0・5差に迫った巨人との3連戦だ。指揮官は「明日から東京に行くことも含めて、獲っていくのとではかなり差があるので」と話す。攻撃にミスが目立った中、投手力で勝ちきった勝利。近づいたうさぎのしっぽ。勢いに乗り、一気に食らい付く。

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