虎、奪首失敗 6番・阿部に痛恨4四球
「巨人4-2阪神」(10日、東京ド)
投打に精彩を欠き、虎が首位奪取に失敗した。初回に先制しながら、先発のランディ・メッセンジャー投手(33)が6番・阿部への四球から下位打線につかまり、逆転負け。これでチームは2012年以来、3年ぶりの東京ドーム5連敗となった。巨人とは1・5ゲーム差。自身6連勝中と好調な藤浪が先発する第2戦は、絶対にやり返せ!!
逃げたわけじゃない。それでも、痛すぎる6番・阿部への4四球だった。宿敵の巨人に屈し、首位再浮上もならなかった。
立ち上がりからメッセンジャーは制球を乱していた。1-0の二回。阿部を歩かせて1死一塁となったのが悪夢の始まりだった。続く7番・村田に1ボールから高めの変化球を右翼席に運ばれ、逆転を許した。四回1死も四球を与え、1-2の六回1死では3打席連続となる四球を出し、2死後の3連打で2失点を喫した。
和田監督は「決して逃げているわけじゃない。慎之助へのフォアボール、二回と六回がともに(失点に)絡んでいる。フォアボールでガツンというのが一番怖い。攻めていきながらのフォアボールだから、仕方ないことはあるけど」と険しい表情で嘆いた。
助っ人は降板する六回までクリーンアップは無安打に抑えた。だが阿部の打席では特に制球力を乱し、四球を連発した。虎の将は「中心はしっかり抑えているんだけど。制球がね。(直球に)いつものキレがなかった」とその投球を評し、平田ヘッドコーチも「(阿部は)長打があるし。阿部の後の打順が下がるんだから。阿部を警戒するのは当然のこと」と振り返った。
2-4の七回1死二塁で2番手の松田が阿部に4球連続ボールを投げるとブーイングが起こり、スタンドは異様な空気に包まれた。6回4失点で敗戦投手になったメッセンジャーを、藤井は「狭い球場でホームランがあるから、ちょっと意識し過ぎたんじゃない」とかばった。
勝てば首位再浮上だったが、それもならなかった。敵地・東京ドームでは2012年以来、3年ぶりの5連敗を喫した。だがまだ3連戦の初戦。宿敵に2連勝すれば、今回の3連戦で首位に立つチャンスは残っている。このまま引き下がるわけにはいかない。11日こそ必ず、巨人を倒す。