能見が復活星!首位巨人と「0差」
「阪神5-2広島」(14日、甲子園)
こんな左腕が見たかった!阪神は先発の能見篤史投手(36)が7回を6安打1失点(自責点0)で6勝目を挙げた。最近2試合で先発に失敗し、背水の覚悟で上がったマウンドで結果を出した。チームも2連勝で勝率5割に復帰。15日は前半戦ラストゲームだ。勝って貯金で、首位ターンや!
記念の1勝に今年6つ目のウイニングボールを添えた。思いを乗せた109球。背水のマウンドに立った能見が意地を見せた。
「打たれ出したら止まらないので。自分の中でどうしたもんかと思っていた。向かっていく気持ちだけは忘れないように、マウンドに上がりました」
5点リードの七回。2死から安打と失策でピンチを背負い、菊池に適時打された。なお一、二塁で、シアーホルツをこん身の直球で二ゴロ。「踏ん張りたかったけどね」。唯一の失点を悔やんだが、7回を投げ6安打1失点(自責点0)と本来の粘りを取り戻した。
持ち味の内角直球で強気に攻めた。チェンジアップのキレも抜群で、5番に入った鈴木誠は2三振。「うまく使ってくれました。全然、大丈夫というか、去年もたくさん組んでいたので」。今季初コンビを組んだ鶴岡とも息はピッタリだった。
鯉キラーぶりも健在だ。今季、広島戦は4試合に先発し、3勝1敗、防御率1・53。本人は「たまたまです」と受け流すが、優勝争いが本格化する夏場へ向け、心強い限りだ。
「勝てたらいいね。野球はあまり興味ないみたいやけど(笑)」
最愛の息子へこれ以上ないプレゼントだ。12日は長男凌成くんの5歳のバースデーだった。節目の家族行事は勝利で飾るのが能見流。リーグワースト9敗の現状に、「負けてばっかりやないか」と自虐的に笑い飛ばしていたが、気合は満点。誕生日の夜は東京からの移動日で盛大に祝えなかったため「オールスター休みにぐらいにできたらいいかな。何か買ってほしいって言ってたしね」。マウンドと違う優しい父親の顔をのぞかせていた。
前回まで2試合連続KOも文句なしの結果で跳ね返した。和田監督は「背水の気持ち?初回からそういう気持ちで1球1球投げていた」。後半戦は中7日で22日・巨人戦(甲子園)に向かう予定だ。
お立ち台では「勝った次の登板は負けることが多いので、何とか勝てるようにしっかり頑張りたい」とファンへ連勝を約束した。苦しい時期を乗り越えてここから能見が巻き返していく。