マートン返す男や!ノウミサンに援護打
「阪神5-2広島」(14日、甲子園)
マウンドで奮闘する背番号14にささげる2打点だった。阪神・マートンが先制点と追加点をたたき出して2連勝に貢献。能見とお立ち台に上がると、これまで援護が少なかったことを日本語でざんげした。
「スイマセン、ゴメンナサイ、ノウミサン。ゴメンナサイ」
序盤からうっぷんを晴らした。初回2死一、二塁は野村の外角スライダーを捉えて、先制の左前適時打。三回1死満塁は、内角高めのシュートに力負けせず、左犠飛を放った。
疲れを感じさせない活躍だった。12日の巨人戦後。東京都内の宿舎が停電したため、ゴメスと部屋がある32階まで990段を約10分で駆け上がっていた。
それでも普段からほとんどトレーナーを頼らない助っ人は、13日の休養日で十分に体をケアできていた。「体は大丈夫だよ」。この日も練習から普段通りの動きを見せた。
これで今季最長の10試合連続安打。「交流戦の後に基本に帰ろうと思った。試合がない期間を有効に使えて、自分を取り戻せたと思う。いい感覚が続いているよ」と手応えを口にする。
リーグ戦再開から19試合で無安打は1試合だけで、ゴメスとともに全試合で出塁している。自身の前で4番を打つ相棒の活躍も刺激となっている。
私生活でも2人のコンビは抜群だ。6日、ゴメスに次女・アイミーちゃんが誕生した。すると、マートンは球宴期間中にパーティーを計画。「彼の家が落ち着いたらお祝いするよ。次女が生まれる前からプレゼントも用意しているからね」。シーズンの疲れを癒やすひとときを演出するつもりだ。
前半戦は残り1試合。15日の広島戦で勝てば貯金1で折り返しとなる。「普段通りベストを尽くしたいね」。落ち着きを取り戻した背番号9が、前半戦3連勝締めへ導く。