福留4度出塁!Vへのカギを握る男や
「阪神0-3広島」(15日、甲子園)
前半戦の立役者は、最後の最後に天を仰いだ。3点を追う九回1死一、二塁。阪神・福留は一発が出れば同点の場面で打席に立った。
何度もチームを救ってきた背番号8に、大入りのスタンドからは大歓声が降りそそいだ。しかし、直後に悲鳴と化した。中崎の外角フォークを捉えた打球は二塁・菊池の正面へ。併殺打で試合終了となった。
「うーん、仕方ないね。打てる球を打ちにいく、いつも通りのことをやったけどね」
悔しさは内に秘めて、淡々と振り返った。それでも存在感は示した。初回2死は中前打を放ち、2打席目からは3打席連続で四球。今季の活躍を象徴するように、打線をけん引した。
和田監督は前半戦を総括し、38歳のベテランをねぎらった。野手のMVPに選び、「点が取れない中で劇的というか勝負を決めるような一発、一打を打ってくれて、だいぶ勝ちを拾った」と手放しで奮闘を褒めたたえた。
6月16日の日本ハム戦で3番に座って以降、この試合まで21試合で打率・341、7本塁打、12打点。勢いはとどまる気配もない。球宴期間の休養も後半戦への追い風となることは間違いない。福留が優勝へのカギを握っている。