虎借金ターン…3位転落もVへ巻き返せ
「阪神0-3広島」(15日、甲子園)
前半戦最後を白星で飾れなかった。序盤から塁上をにぎわした猛虎打線だが、初対戦の広島のドラフト2位右腕・薮田を捉えることができなかった。結局広島の救援陣からも得点を奪えず、阪神は今季9度目の完封負けで借金生活に逆戻り。3位に順位を下げ、前半戦を折り返した。ただ首位DeNAとは0・5差。後半戦は気合入れて戦ってくれ!
最後の意地も実らない。無死一、二塁の好機をつくった九回も、ホームは遠いまま。今季9度目の完封負けで逃した7年ぶりの首位ターン。ただ、悔やまれる1敗にも下を向いてはいられない。和田監督は敗戦の責任を受け止めた上で、後半戦に向けた反省点を口にした。
「(序盤に好機を逃した中)特に初回だな。点を取る取らんじゃなくて、やるべきことをできなかったことで、流れを持ってこれなかったな」
接戦ではミスが命取りとなる。振り返ったのは初回の攻撃だ。初対戦の薮田に対し、先頭の鳥谷が四球で出塁。続く俊介が送りバントを試みたが、初球を見逃して2球目は空振り。そして3球目に試みたバスターが遊撃併殺打となり、一気に2死無走者に。流れをつかめなかった。
俊介は「決めないといけない場面でした。それだけです」と肩を落とした。その後も得点機はあったが、三回2死満塁はゴメスが見逃し三振、四回には1死満塁から無得点に。2死球で警告試合が宣告されるほど荒れていた薮田に対して、狙い球を絞りきれなかったことも要因だが、流れを考えると初回が痛かった。
「(初回は)その後にヒットが出たどうのこうのじゃないけど、やることをやって点を取れないのは(相手に)流れもいかないけど、そういうところで引き寄せられなくて先に取られたからね」と和田監督。劣勢でも福原と呉昇桓を投入した中での敗戦。俊介だけの責任ではない。チームとしての反省材料は今後に生かさないと意味がない。
「(今日)負けはしたけど、前半戦、苦しい中みんな必死にやって踏みとどまってきた。後半戦もこういう戦いが続くと思うから、混戦の中、踏みとどまって、どこかでチャンスで抜け出せるようにね。もう少し我慢、辛抱が続くと思うけど」
借金「1」で3位転落。それでも首位・DeNAまでゲーム差は0・5だ。大混戦のセ・リーグ。優勝を狙うためにも、この日のような敗戦は繰り返せない。教訓として、勝負の後半戦へと向かう。