呉昇桓25S 失点したけど…セ界独走
「阪神2-1巨人」(21日、甲子園)
勝利のハイタッチの列の中、笑って迎えてくれたメッセンジャーに、同じような笑顔を返せなかった。逃げ切り成功の25セーブ目はリーグトップの数字。それでも素直に喜べない。阪神・呉昇桓は試合後、報道陣の前で大きくため息をつき、「チームが勝ったことが良かったです」と話してクラブハウスに戻った。
満足はできない。2点リードの九回。先頭の阿部に中前打を許し、そこから村田を中飛、高橋由は空振り三振に仕留めた。完封リレーまであとワンアウトに迫ったが、2死二塁から相川にフルカウントからの7球目の直球を左前適時打とされた。続く中井を中飛に打ち取ってリードを守ったが、笑顔のゲームセットとはいかなかった。
リーグ戦では、15日の広島戦に続き自身2試合連続失点に。初参加となったオールスター戦では、18日の第2戦(マツダ)に5点リードの九回に登板。3者連続左飛という投球を見せ「いい気分転換になりました」と話していたが、この日は納得できる内容を見せられなかった。
中西投手コーチは「抑えだからいかないと」と振り返る。本来の状態でないような姿に不安は残るが、チームとして、守護神に寄せる信頼は変わらないままだ。