鳥谷お見事!流れ引き寄せた初球打ち
「阪神4-2巨人」(22日、甲子園)
迷いはない。強気の初球打ちは、確かに天敵を狂わせた。巨人・ポレダ攻略の突破口を切り開いた鮮やかな一振り。「先頭だったので、塁に出ようと思っていました」。阪神のヒーローは先制打を放った新井良でも、流れを引き寄せたのは鳥谷だ。
能見がリズム良く3人で抑えた直後の初回の攻撃。ポレダの投じた初球151キロ直球を逃さない。逆らうことなくはじき返した打球は、三塁線を破る左前打となって出塁。そこから連続四死球なども絡み、新井良の3点適時二塁打が生まれる結果となった。
この試合まで、ポレダとの対戦成績は10打数1安打。唯一の安打も、3カ月以上前の4月17日の対戦で記録したもの。ただ、相性は悪くてもそれは過去のこと。1番に入っている以上、初回の打席への意識は強かった。「どんな場面でも、回の先頭が出ればチャンスになるので」。気持ちで放った一打だった。
守備でも堅実なプレーを披露。八回1死から長野の二遊間への打球も、懸命に食らい付いて遊ゴロに。和田監督も「トリがいつものようにしっかり守ってくれた」とたたえた。前日の六回も無死からの安打で出塁し、マートンの先制打に絡んでいた。今季2度目の対巨人カード勝ち越しを、攻守で支えた。