ウル虎大逆転で4連勝!福留同点2点打

 「阪神10-8ヤクルト」(31日、甲子園)

 猛虎打線が底力を発揮し、4連勝や!1-6の四回、無死一塁からマット・マートン外野手(34)、新井良太内野手(32)の2者連続アーチで2点差とし、六回に福留孝介外野手(38)の2点適時打で同点。そして八回2死満塁からマウロ・ゴメス内野手(30)の押し出し死球で勝ち越した。今季最大の5点差をひっくり返す大逆転劇。首位をがっちりキープした。

 真夏日の消耗戦は4時間14分をかけて猛虎が制した。首位攻防第1Rは藤浪が序盤でKOされる想定外の展開。四回に6点目を失い、ビハインドは5まで膨れた。うだるような灼熱(しゃくねつ)の夜。両軍が肩で息をする気力勝負で、劣勢をはね返す打線の軸を満塁男が担った。

 2点を追う六回だ。1死から鶴岡、俊介の連打。2死後、上本の四球で塁上を埋めると、敵陣はたまらず勝ちパターンのオンドルセクを投入した。「前の打席でチャンスをつぶしていたから、何とかしようと思っていたよ」。ここまで3打席凡退の福留が3球目の150キロを流し打ち、痛烈なライナーで三遊間を突破した。2者を迎え入れ、7-7。今季満塁で10打数5安打11打点の38歳がチーム、そして背信の藤浪を救った。

 「誰だって人間だし、うまくいかないこともある。いつも晋太郎に助けられていたから、こういう展開で野手が晋太郎をカバーして助けることができたことは、チームにとっても晋太郎にとっても大きい。これからの戦いにつながるし、きょうの勝ちは大きいよ」

 2番手の歳内から中継ぎ陣が踏ん張ると、迎えた八回にご褒美が待っていた。今成、鳥谷の連打、福留の四球で広がった満塁機でゴメスがロマンから決勝の押し出し死球。さらにマートンの2点打で勝負を決めた。殊勲の福留はヒーローインタビューで「(お立ち台の)隣にいるアンちゃんがいい仕事をしてくれるので、この位置(首位)にいます」と、4勝目の安藤に最敬礼。5点差逆転劇の主役を同級生に譲った。

 「悪いことは忘れるようにしています」。四回に好機をつぶした福留はファンの前でそうも言った。この男は常に前を向く。PL学園、中日、メジャーで幾度もメモリアルを重ねてきたが、記念球の類いは「ひとつも自宅にない」と言う。「それ過去だもん。興味ないよ」。38歳の視線はプロ17年目の8月へ。「きょうは晋太郎の言葉で言うと、ウル虎、疲れた」。前回登板のお立ち台で「ウル虎、気持ちいい」と叫んだ藤浪を激励しながら引き揚げた。福留の盛る夏が本番を迎える。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

タイガース最新ニュース

もっとみる

    スコア速報

    主要ニュース

    ランキング(タイガース)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス