ゴメス上昇気配!1カ月ぶりタイムリー
「阪神1-4ヤクルト」(1日、甲子園)
阪神・ゴメスは額にできた吹き出物を気にしながら、リストバンドで汗を拭った。「いつもベストを尽くすつもりでやっている。それだけだよ」。連勝が4で止まった熱帯夜。唯一の得点をたたき出したドミニカンは月替わりの適時打に、いつもと変わらぬコメントを残し、敗戦の悔しさを胸に押しこめた。
4番が3点を追い掛ける三回に追撃打をかっ飛ばした。走者を一、二塁に置いて石山の内角シュートを引っ張り、1点を返した。5点差をひっくり返した前夜の再現だ!とばかり、満員客席はヒートアップ。ベンチ脇で投球練習をしていたメッセンジャーもサンキュー!と拍手を送った。
7月の月間打率・325はチームトップ。猛虎を首位に押し上げた立役者であることは疑いようがないが、実は適時打からは随分遠ざかっていた。前月に挙げた打点は3本塁打と犠飛による5打点のみ。6月27日・DeNA戦以来、25試合ぶりとなるこの夜の適時打は、4番の清涼剤になったはずだ。
チームが石山を捉えきれない中で五回に再び反撃の局面が訪れたが、ゴメスは沈黙した。2死三塁でスライダーを打ち損じ右飛。八回には秋吉の速球にバットをへし折られて二ゴロに倒れた。クリーンアップにもう1本出ていれば…そんなため息が球場を支配した。
試合前、ゴメスは苦笑いで泣き言を漏らしていた。「昨夜はあまり眠れなかったんだ。暑かったから?いや、ベビーが泣いて、泣いてさ…。ちょっぴり寝不足なんだよ」。先月誕生した次女アイミーちゃんの夜泣きに起こされ、ゴメスパパは夜中に奮闘していたという。新しい家族の誕生を待ちわびていた助っ人にとって、そんな苦労も癒やしになる。「とにかく明日勝てるように頑張るよ」。試合後はそう言って、4人家族の待つ自宅へ急いだ。