猛虎祭!8点快勝2位浮上さぁVロード

 「広島2-8阪神」(5日、マツダ)

 猛暑を吹き飛ばす快勝や!猛虎打線が八回まで毎回の15安打と打ちまくり、連敗を3でストップ。8月初白星を挙げ、2位に浮上した。そんな中、阪神・江越大賀外野手(22)が3安打1打点とハッスル。新人で2度の猛打賞は球団では鳥谷以来だ。江越が打点を挙げれば負けない“不敗神話”も継続。首位奪取へ、ここから真夏の反攻開始だ!

 うっぷんを晴らすように打ちまくった。八回まで毎回安打の15安打で8点を奪取。その中でも際立つ存在感を放った。江越がプロ2度目の猛打賞。3連敗を止め、8月初勝利へ導いた。

 長期ロード初戦となった4日の広島戦は、3点差を守れず痛恨の逆転負けを喫した。一夜明けてチームの悪循環を止め、自身も勢いを取り戻す奮闘。若虎は自信を口にした。

 「1打席1打席、集中できている。これからも続けていきたい」

 二回2死は二塁内野安打。四回無死二塁は、5試合ぶりの打点となる右翼線への適時二塁打を放った。

 ともに中村恭に2ストライクとされた後に快音を響かせた。これまでは追い込まれた後にもろさを見せていたが、成長を感じさせる打撃内容だった。

 七回1死一塁では、永川から3安打目となる中前打。阪神の新人がシーズンで2度の猛打賞を記録するのは、04年の鳥谷以来11年ぶりだ。

 それでもいつも通り、浮かれる様子はない。12試合連続先発中の新人は「相手はボール球を振らせようとしてくるので、浮いてきた球を捉えられるように集中していきたい」と次戦へ目を向けた。

 5、6日の広島-阪神戦は、核兵器廃絶を訴える「ピースナイター」として開催される。江越は広島と同じく原爆被害を受けた長崎出身。この時期を迎えると、いつも野球をできる喜びを痛感する。

 長崎県に原爆が投下された8月9日。同県内の学校は夏休み中だが登校日となる。江越も毎年、原爆投下時刻の午前11時2分に祈りをささげてきた。「全国の学校が登校日だと思っていた」。幼い頃から平和に感謝することが当たり前だった。

 駒大3年時の13年は、日米大学野球の日本代表として7月8日に広島入り。広島市内の原爆資料館に足を運び、故郷とは違う歴史も知った。

 「長崎は(原爆投下が)8月9日なので、(当日も)頑張りたい」。緑色に染まったスタンドを見上げ、大好きな野球に打ち込めるありがたさを痛感した1日。江越にとって思い出深い試合となった。

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