でかした秋山!3年ぶり星お預けも堂々
「阪神4-1中日」(13日、京セラ)
虎党からの万雷の拍手の中、阪神・秋山がゆっくりとマウンドを降りた。1-0で迎えた七回に追いつかれ、2012年6月30日・ヤクルト戦以来の勝利とはならなかった。しかし7回4安打1失点の粘りの投球は立派。今季2度目の1軍戦登板で、輝いた。
「全体的にリズム良く投げられたと思います。でも、あそこを抑えないと勝ち星はついてこない。そこが課題ですね」
六回まで3安打無失点。だからこそ七回が悔やまれる。1死から森野に四球を与えると、続くエルナンデスに左中間を破られ同点とされた。だが、粘った。続く藤井を左邪飛、桂を108キロのスローカーブで見逃し三振。微笑を浮かべながら、小走りにベンチへと戻っていった。
ルーキーイヤーに4勝を挙げ注目された右腕も今年で6年目。今季はキャンプインこそ1軍で迎えたが、開幕時は2軍だった。「一つダメになるとマイナスの方に考えてしまって、負の連鎖が続いていました」。苦しい。だが、ある日を境に右腕は変わる。同級生からの言葉に発奮した。
「梅野に『もったいない安打や点の取られ方をするのはお互い悔しい。悔いの残らないような投球をしよう』と言われたんです」
5月26日のウエスタン・ソフトバンク戦の試合後だった。それまで2軍戦でも結果が出ず苦しんでいたが、その後は4試合連続で好投。「梅野も僕に対して物足りない部分があったと思う。それをしっかり受け止めました」。鳴尾浜で必死にもがく同級生からの言葉が秋山を奮い立たせた。
和田監督は「相手はエース。堂々と投げ合っていた。言うことはない」と絶賛。秋山は「小さくならずやることをやっていきたい」と表情を引き締めた。次回登板のチャンスはある。次こそは、勝利の美酒を味わう。