岩崎自身初3連勝!「第5の男」譲らん
「阪神7-2DeNA」(22日、京セラ)
クールな表情とは裏腹に、阪神・岩崎の心は熱く燃え上がった。先発ローテ「第5の男」が今季初めて中5日でマウンドに上がり、7回4安打2失点。粘りの投球で自身初の3連勝だ。
二回は連打と死球で2死満塁のピンチを招き、高城に押しだし四球。だが、ここで踏みとどまる。「点の取られ方が悪かったですが、何とか1点でしのげて良かったです」。
中盤から尻上がりに調子を上げた。「四回くらいからいい感覚で投げられるようになりました」。七回、先頭のバルディリスに左翼ポール際へ一発を浴びたが、後続は抑えた。試合後、コンビを組んだ藤井は「あの回(七回)を抑えた岩崎はかっこよかったと思います」と笑顔でたたえた。
「第5の男」として存在感を示し続ける左腕に対し、和田監督は「そういう気持ちでやってほしい」と先発の柱としてさらなる奮起に期待を寄せた。チームにとって必要な戦力だと認められている。
昨季5勝を挙げ、迎えた2年目の春。待っていたのは、左肩の違和感との戦いだった。高校時代に通った整体、関西に戻ってきてからも何度か病院に足を運んだが原因は分からない。不安を抱きながら練習する姿を見て、2軍のコーチ陣からは「気持ちが入ってない」という声も上がるようになった。
どうすれば…。導き出した答えは患部を鍛えることだった。左肩のインナートレーニングに時間を割き、2軍キャンプ中は休日も返上した。福本2軍トレーナーは「他の選手と比べ意識を高くもってやっていました」と取り組む姿勢を評価。1軍のマウンドをひたすら目指し続けていた。
「一つも負けられないという気持ちでやっています」。苦しみの果てにつかんだ先発ローテの椅子は絶対に離さない。チームの勝利のため、堂々とマウンドに立ち続ける。