「阪神３－１ＤｅＮＡ」（２３日、京セラ）

　自ら率先して背負った責任だ。思いは結果で示す。胸を張ったお立ち台。約束の一打で、阪神・福留がメッセンジャーと肩を並べた。「（巨人に３連敗で）嫌な感じで帰ってきましたけど、ホームでこれだけのお客さんの中で、いい後押しをもらってプレーできた」。福留の表情に充実感がにじんだ。

　「１、２番がすごくいい形をつくってくれているので、その流れの中で打たせてもらっている感じです」

　初回だ。先頭鳥谷の四球と大和の犠打で、１死二塁となった好機。「最近、ランディをまったく援護できていなかったので、どんな形でもランナーをかえしたいと思って打席に入りました」。２球で追い込まれたが、３球目の外角チェンジアップを右前に運び、先制の適時打とした。

　前日に続く２試合連続の初回の打点。いきなり見せた勝負強さ。さらに五回には、２死満塁から押し出し四球を選んだ。和田監督も「顔で取った１点」と評した貴重な追加点となった。

　「（メッセンジャーは）中４、中５日と間隔をつめてでもマウンドに上がっているのは野手全員分かっているし、少しでも楽に投げさせようというのが野手の仕事だけど、それができてなかったので」

　毎試合行われるベンチ前での円陣。この日は福留が声出し役だった。「『ずっとランディに申し訳ないことばかりしているんで、何とかして勝ちたい』と率先して言った僕なんで、何とか打たないとかっこ悪いなと思ってがんばりました」。有言実行の働きだ。

　「まず目の前の試合を一つ一つ取っていくことと、ランディが投げる時にもう少し点が取れるようにがんばります」と福留。右腕の久々の白星につなげた働きは、チームをさらに加速させるものでもあった。