メッセ魔の2球、逆転負けで再び2差
「阪神4-8ヤクルト」(29日、甲子園)
わずか2球、一瞬の転落劇だった。阪神はランディ・メッセンジャー投手(34)が2-1の八回1死二塁、川端、山田にいずれも初球を連続タイムリーとされ逆転負けした。和田豊監督(52)は七回の好機で3球三振に倒れた主砲のマウロ・ゴメス内野手(30)の立ち直らせると言及。下を向いてはいられない。30日は2位ヤクルトに必ず勝つ!
目を覆いたくなるような暗転だった。聖地で連勝を期待した虎党の大きなため息が、球場全体を包み込んだ。メッセンジャーが魔の八回に沈んだ。まさかの逆転負けだ。
「七回まで球数、内容ともに良かったんだけどな。ピンチになってからの入りの球が高かったな」。和田監督は苦虫をかみつぶし、声を絞り出した。
七回まで99球を投げ3安打1失点と好投していた右腕が2-1の八回に突然、崩れた。1死二塁。試合前の時点で、昨季までの2年間で18打数8安打とカモにされていた川端に初球の直球を痛打され、中越えの適時二塁打を浴びた。続く山田にも初球のフォークを捉えられ、右中間に適時三塁打。2-3と逆転を許し、マウンドを降りた。
「七回までも調子がいいとは思えなかった。疲れもなかった。球自体は悪くなかったけど。(八回の)あの失投が悔しい。それだけだ」。八回途中を6安打4失点で11敗目を喫したメッセンジャーは、厳しい表情を浮かべて振り返った。
指揮官が「そこ(七回)までが良かっただけに難しい継投」と厳しい表情を浮かべると、「あそこ(八回)までいってスンファン(呉昇桓)やな」と中西投手コーチ。九回に呉昇桓に託すまで踏ん張れ-。その願いはかなわず、川端、山田への2球に泣いた。
ただし、メッセンジャー一人を責めるわけにはいかない。打線は、ゴメスがまた大ブレーキだ。一回、三回、七回にいずれも走者を置いた打席で凡退。逆転される直前の七回2死二塁では、代わったばかりの秋吉に3球三振に倒れた。4打数無安打に「悔しい」とゴメス。和田監督は「元気ないというかね。力みすぎてバットが出てこない。気持ちが焦るからボール(球)に手を出している。早いうちに元気にさせないといけない」。28日は11試合ぶりに打点をマークしたが、まだ完全復活には至っていない。
2-8の九回はナインが最後まで諦めない姿勢を見せ、2点を返した。「何点差開こうが何とかという気持ちは選手たちにある」。ヤクルトと巨人に2ゲーム差に迫られたが、気持ちを切り替えて30日に白星をつかみ取る。