福留、猛打賞 手負いもなんの!
「阪神8-11ヤクルト」(30日、甲子園)
阪神・福留の患部は限界に達しているかもしれない。11日に痛めた右手中指は依然、攻守に「支障がある」とチームスタッフは言った。打撃ではインパクトの瞬間、守備では送球時…本人は口を閉ざすが、激痛に耐え続けている。38歳はそんな手負いでも、また打った。
初回、館山の立ち上がりを攻略した。先頭鳥谷の四球を起点に上本の犠打で1死二塁とすると、背番号8が期待通り、決める。2球で追い込まれながら冷静に変化球を見極め、6球目の148キロをライナー性で左翼へ運んだ。鳥谷の生還を見届けると一塁上で7度、手をたたいた。前夜は初回の同点打が報われず、逆転敗戦。試合後は悔しさ、腹立たしさ…すべての感情を腹に押しこめ球場を後にした。だからこそ雪辱を期したこの夜、気持ちを込めて結果を出した。
「前回の対戦でなかなか得点できなかった相手だし、いい形で1、2番がチャンスをつくってくれた場面で走者をかえすことができて良かった」。先制打の直後は談話を残したが、試合後は無言でロッカールームに消えた。
五回に右前打、八回には反撃の起点となる中前打で今季10度目の猛打賞。広島、ヤクルトとの最近2カードで20打数8安打、打率・400を記録した。この夜も福留の快打は報われなかった。満タンの反骨心で広島戦に向かうしかない。