マートン最速6年目で1000安打達成
「阪神5-1広島」(3日、甲子園)
まだ通過点だから、余韻には浸らない。勝利だけを追い求めた。阪神・マートンは「(先制打後も)うれしいのはあったけど、まだ始まった状況だったから」。NPB史上最速6年での1000安打到達の節目。先制打で達成し、トドメの一撃で笑顔の白星を呼び込んだ。
3番に入って迎えた初回だ。1死三塁から「とにかくセンター方向に」と中前への先制の適時打を放った。一塁上で花束を受け取り拍手を浴びた一打。これで終わらない。三回には中前打、七回2死満塁からは左中間を破る3点適時二塁打で勝負を決めた。
「(日本で)結果を出せない選手もいた中(自分は)1年目にヒットを打って結果が出て使ってもらえた」
成功の秘訣(ひけつ)は技術だけだけじゃない。8月12日、マリナーズ・岩隈がノーヒットノーランを達成すると、来日1年目の10年の対戦での右前打を鮮明に思い返した。「確かシュートをセンターの右方向に打ったよ」。確かな記憶は岩隈に限らない。来日時は頻繁に相手投手の印象をノートに記した。日々の努力がこの日につながった。
「周りの方々の助けがあったからこそだと思っています」とマートン。自ら祝ったメモリアルデー。節目を迎えた一年には、優勝の花を添えたい。そのために打ち続ける。