能見10勝“鬼門”破った3年ぶり星
「中日2-8阪神」(5日、ナゴド)
会心の笑顔はない。いつも通り淡々とバスに乗り込む。自身の節目より、チームの勝利が大きい。「鶴岡さんがうまく緩急を使ってくれたので」。大量得点を支えた阪神・能見が、10勝目をつかんだ。
立ち上がりから安定していた。初回を3人で終え、二回は初安打を許したが無失点。7点を奪った直後も三者凡退。リズム良く五回までゼロを並べた。
先発した1日・広島戦は11球を投げたところで降雨中止。そこから中3日という調整が影響したのか、六回に犠飛で1点を失い、七回に1点を奪われたところで降板。ただ、崩れずにバトンをつないだことに価値がある。
ナゴヤドーム3年ぶりの白星で、2年ぶり自身5度目の2桁勝利。通算83勝は福原に並ぶ歴代13位タイ。記録を見ても投手陣の軸であり、その自覚もある。日々の練習の中、気を配るのは自身の調整だけじゃない。
「若い選手のことは見るようにしている。特に顔をね。自信を持ってるのか、悩んでるのかとかね」
昔は自分のことで精一杯だった。今は違う。例えば横山や今は2軍の岩貞ら。雰囲気を見て、時折若虎に声をかける。「参考になればというぐらいで。やるのは本人だから」。未来を見据え、若い芽の開花を望む。積み重ねてきた経験を惜しみなく伝えるのは、チームの勝利のためだ。
10勝を挙げても、まだ終わらない。「チームが勝つのが一番なんで」。残りあとわずか。チームで戦い、勝利を目指す。その中心に「14」の背中がある。