マートン不満爆発!ベンチで羽交い締め
「阪神0-3広島」(13日、甲子園球場)
延長十二回、4時間36分の激闘を終えた前夜、阪神で約2時間に及ぶコーチ会議が行われていたことが分かった。甲子園クラブハウスの一室で和田監督らスタッフがテーマ別に議論を重ねたようだ。その論点の一つがクリーンアップを組む助っ人コンビであったことは想像に難くない。
異例の長時間ミーティングの成果が期待されたが、天敵マエケンの前に無残に封じられた。ゴメスは五回にチーム初安打を右前にはじき返したが、マートンは無安打2三振。9日・巨人戦でサヨナラ安打を放ってから実に4戦18打席、ヒットから遠ざかっている。この日の試合後、和田監督は背番号9の不振について「メンタルだろうな」と神妙な面持ちでこぼした。
「マエケンさんはゾーンすれすれを投げ続けて、いい仕事をした。手を出せるボールがあまりなかったね。スイングは良いよ。良い感じでも結果が出ないことはあり得るから」
試合後、ヒットメーカーは冷静に自己分析したが、指揮官が危惧するようにやはり精神面のうっ屈がパフォーマンスを妨げているのかもしれない。象徴的なシーンは七回だ。ゴメスの打席で初球外角へのカーブがストライク判定されると、温厚なドミニカンが柿木園球審にクレームをつけた。その瞬間、マートンがベンチを飛び出さんばかりの勢いで立ち上がり、今成に羽交い締めにされた。
前日、良川球審のややゾーンの広い判定には両軍ベンチ内で不満が出ており、マートンも愚痴をこぼしていた。この日は「切り替えていた」と試合に臨んだものの、僚友の怒りを目の当たりに不満が爆発。外角球の見極めがストライク判定され、三振に倒れた2打席目について問われると「皆さんお分かりだろう」と皮肉を込めた。
V争いの佳境で審判と戦い続けても勝機は高まらない。残り15試合。両助っ人のメンタルケアが先決になる。