和田虎痛すぎる…20日自力V消滅危機
「DeNA7-5阪神」(19日、横浜スタジアム)
何をしとるんや!阪神は先発・能見篤史投手(36)が4回5失点KO。リリーフ陣も失点を重ねて、逆転負けを喫した。リーグ優勝をかけた勝負の12連戦は、5位・DeNA相手にまさかの連敗スタート。20日・ヤクルト戦(甲子園)に敗れれば自力優勝の可能性が消滅し、ヤクルトに優勝マジック「9」が点灯する可能性もある。虎がいよいよ追い込まれてきた。
情けない。経験豊富な能見が打ち砕かれて、虎がまたつまずいた。「今日のゲームに関してはそこだよね。打たれたところは甘くないし、コースにいっているけど、はじき返されるのはキレがなかった」。和田監督は顔をこわばらせて、踏ん張れなかった左腕を嘆いた。覇権奪取を誓うチームが5位・DeNAを相手に連敗は、痛恨の極みと言っていい。
2度のリードを守れなかった。能見は1-0の二回、2死からバルディリス、嶺井に連続二塁打を浴びて同点に追いつかれた。3-1の三回には、鳥谷の失策から1死一、二塁のピンチを背負い、筒香に右翼席へ逆転3ランを浴びた。4回を6安打5失点と先発の役割を果たせず、12敗目。能見は「(状態は)問題なかった。いいところを打たれたところが多かった」と険しい表情を浮かべた。
左腕を早々と降板させて継投に入ったが、それも裏目に出た。3番手・二神が1点ビハインドの六回、連打などで1死一、二塁のピンチを招いて降板。ここで2カ月ぶりの1軍マウンドとなる島本を投入も、2死満塁から倉本に押し出し四球を与えた。チームに重苦しい空気が充満した手痛い追加点に、指揮官も「フォアボールがな…」と苦虫をかみつぶした。
「落としていいゲームはない」と虎将はビハインドでも七回に安藤、八回に福原という勝ちパターンの投手を起用して執念を見せた。だが福原は嶺井に左越えソロを浴びて、リードを広げられた。「負担がかかるのは承知の上でいってくれている」と平田ヘッドコーチ。両ベテランの登板も勝利には結びつかなかった。
打線はマートン、福留、ゴメスの中軸が計7安打を放つなど11安打で5点を奪ったが、投打の歯車がかみ合わない。20日・ヤクルト戦(甲子園)に敗れれば自力優勝の可能性が消滅。ヤクルトに優勝マジック「9」が点灯する可能性もある。「もう一回、甲子園に帰って、もう一回ここから、という気持ちで明日から行きます」と固い決意をにじませた和田監督。10年ぶりの頂点へ、虎が試練の時を迎えた。