能見11勝目 今後は中継ぎ待機も

 「広島0‐3阪神」(25日、マツダスタジアム)

 崖っぷちに立たされていたチームを大黒柱が救った。7回を投げ4安打無失点で今季11勝目。敵地でのヒーローインタビュー。95球を投げ終えた阪神・能見が声を弾ませた。

 「いろんな要素がありますけど、まずは自分のピッチングをすることと、今日はしっかり最初から飛ばしていこうと思ったので」

 初回2点の援護をもらうと、リズムに乗った。中西投手コーチが「ボールのキレがあってスライダーも良かった」と評したように、快調に飛ばした。

 最大のピンチは3点リードの七回だ。新井の安打に失策、四球が絡み、2死満塁。嫌な流れだったが、丸を1球で中飛に仕留め、無失点で切り抜けた。

 鯉キラーぶりは今季も健在だった。広島戦は8試合に先発し5勝2敗。マツダスタジアムでも3勝1敗と相性の良さを見せつけた。

 球宴出場がきっかけで親交が生まれた中日・和田が現役引退した。印象深い試合がある。12年シーズンの佳境。巨人・杉内と奪三振のタイトルを争っていた能見は10月3日・中日戦(ナゴヤドーム)で、中継ぎ登板した。五回から2イニングを投げ3奪三振。役目を終えマウンドを降りるそのときだ。

 外野守備に就く和田から「いいね~、まっすぐ!」と声を掛けられた。ベテランのサムアップポーズにポーカーフェースの口元も緩む。生涯打率は3割超え。大打者の言葉に自信を深めた能見は期待通り、初タイトルに輝き、エースの名を不動のものにした。「今年も打たれているし、最後まで抑え方が分からなかったよ」。幾度も名勝負を繰り広げた大打者の決断を惜しんでいた。

 今季の先発はこの日が最後。今後の起用法を中西コーチは「ブルペン待機させる」と説明した。残り6試合。能見は「できることをしっかりやるだけ」ときっぱりと言う。可能性がある限り、あきらめない。

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