メッセ粘投2失点“ゲン担ぎ”効いた

 「セCSファーストS第2戦、巨人2-4阪神」(11日、東京ドーム)

 9安打を浴びても、2失点で耐えた。引き分けでもCS敗退が決まる背水の一戦。鬼門・東京ドームのマウンドで阪神・メッセンジャーが仁王立ちした。

 「試合前のブルペンでも、いつも以上にアドレナリンが出ていた。初回の3点が大きかったです。あれで楽に、力まずに投げられた。ここ一番でもいい球を投げられたので、抑えることができました」

 3点リードで迎えた初回、わずか4球で、1点を失い、なお2死一、二塁のピンチを背負った。だが、簡単に倒れない。前日3安打の井端を147キロ直球で見逃し三振。リズムに乗ると、150キロを超える直球にフォーク、緩いカーブを交え、粘りの投球を展開した。

 代打・アンダーソンのソロで2点に迫られた七回は、2死一塁で阿部と対した。本塁打で同点の場面。この日2安打されていたが、116キロカーブで右飛に打ち取り、7回121球を投げきった。

 2軍落ちも経験した来日6年目の今季は、9勝12敗。5年連続の2桁勝利に届かず、4試合白星なしでシーズンを終えた。験担ぎを好む助っ人は、大一番を前に気分を一新。「オレンジとか派手な色のグラブは好きじゃない。黒は強そうだから好きなんだ」というこだわりも捨て、黒から茶に変更した。「新しいものが届いたから使っただけさ」。大舞台で効果はてきめんだった。

 指揮を執った4年間、ローテの柱として起用した和田監督は、「立ち上がりはちょっと苦労していたけど、あそこを1点で切り抜けたことでピンチもありましたけど、粘り強くいってくれました」と白星をかみしめた。

 12日の第3戦は総力戦で臨む。中西投手コーチは「岩崎と岩田をブルペンに入れる」と明言した。2年連続CSファイナルS進出へ、宿敵をねじ伏せたメッセンジャーが流れを呼び込んだ。

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