ゴメス逆王手弾!和田虎2発G倒や
「セCSファーストS第2戦、巨人2-4阪神」(11日、東京ドーム)
猛虎が崖っぷちからはい上がり、阪神がファイナルS進出に逆王手をかけた。初回にマウロ・ゴメス内野手(31)の2ランと、マット・マートン外野手(34)の2者連続アーチで3点を先制し逃げ切った。勝利しか許されない第3戦。敵地に歓喜の六甲おろしを響かせろ。
まだ終わりたくない。もっと仲間と戦いたい。「一番、大切なことは勝つことだから」。ゴメスは強い思いを乗せて、バットを振り抜いた。打った瞬間に、スタンドインを確信する完璧な決勝弾。引き分けでも終戦となる崖っぷちから救った。
巨人の先発は菅野。レギュラーシーズンの対戦成績は1勝3敗、防御率1・18。ゴメスも14打数3安打、打率・214と抑えられた。ただ、それは過去。苦手意識は脳裏から消えていた。
「打席で意識はしていないし、この試合では今までのことは関係ない」
第1打席で体現した。初回2死二塁。初球から2球続いたスライダーを捉えた。左中間席中段へ先制2ラン。「自分のすべきことは、打席の中でベストスイングをすること。意識の部分では積極的にスイングしていくことを心掛けていた」。菅野からはレギュラーシーズンを含めて初本塁打。天敵からの快音は、サヨナラ負けした前日の悪夢を払しょくし、マートンの2者連続弾へつながった。
勝利ために尽くす。そのスタイルは常に変わらない。今季は全力疾走を怠って注意されれば、チームへ与えた影響を反省。翌日の試合から行動を改めた。
9月2日に甲子園で飛ばした小型無人機・ドローンは、波に乗れないチームを和ます意図もあった。だが、厳重注意を受けると、本気で落ち込んだ。チームメートが気を使って冗談で「今はグラウンドに誰もいないから飛ばしに行こう」と声を掛けると、「もういいよ…」。うつむき、空回りした自らの行動を恥じた。
昨季よりも成績を落とし、リーグ優勝を逃した責任も痛感している。今季限りで退任する和田監督に対しても、日本一を勝ち取って恩返しをしたい。
「みんなそう思っている。自分としては全力でプレーするだけだよ」。まだ来季の残留は確定していないが、それよりも今は頂点だけを目指している。CSファイナルS進出へ逆王手。下克上はまだまだ終わらせない。