「猛虎復活」志半ば…和田阪神が終戦

 「セCSファーストS・第3戦、巨人3-1阪神」(12日、東京ドーム)

 今季限りで退任する阪神・和田豊監督(53)の最後の戦いは、CSファーストSで幕を閉じた。12日の第3戦は巨人に惜敗。「期待に応えられず、大変申し訳なく思います」。大きな悔しさとともに、選手17年、コーチ10年、監督4年、計31年に及んだタテジマ人生に別れを告げた。13日に大阪市内の阪神電鉄本社で退団会見が行われる。

 敗退が決まった瞬間、和田監督はベンチで立ち尽くした。逆王手をかけて挑んだ一戦で敗れた。歓喜に沸く宿敵をじっと見つめ、複雑な表情を浮かべ、悔しさをにじませた。「全国のタイガースファンの皆さんの期待に応えられず、大変申し訳なく思います」。精いっぱい声を絞り出して虎党に謝罪した。

 今季限りで引退する関本をスタメンで起用し、苦手のポレダ攻略に挑んだが、得点は七回の福留のソロアーチによる1点だけ。好機はつくってもあと1本が出ない今季を象徴する負け方だった。それでも指揮官は「最後の最後まで選手たちは戦ってくれた」とナインをたたえた。

 V逸の責任を取り、今季限りで退任する。4年間指揮を執り、ともに戦ったナインには、試合後のミーティングで率直な心境を語り、感謝の気持ちを伝えた。「みんなを優勝させられなかったことを悔しく思う。自分は今年でユニホームを脱ぐけど、違った形でみんなのことを応援している」と約束した。優勝を逃し、ヤクルトの優勝を敵地で目の当たりにし、CSファーストSでも敗退。「この悔しい思いを絶対に忘れないように、来年は栄光、栄冠を目指してまた明日から頑張って欲しい」と激励した。

 選手、コーチ、監督として阪神一筋の31年間を送った。「(ユニホームを)着ている間はとにかく優勝して、何とか勝ちたいと思ってきた」。勝利をつかみ頂点に登り詰める。その強い意識を持ってタテジマに袖を通し、戦場で戦ってきた。今季は1年契約。当然、指揮官として4年間、優勝できなければ責任を取る覚悟はできていた。だからこそ采配に関する周囲の批判に耳は傾けても、自分の信念を貫き通してきた。

 志半ばで退任するが、虎に強くなって欲しい気持ちは誰よりも強い。「ファンの皆さんが期待していただいているようなチームに生まれ変わり、来年はやってくれると思います」。球団創設81年目の来季。猛虎復活への熱い願いをこめ、自身は静かにユニホームを脱ぐ。

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